ひきこもりクエスト

ひきこもりが何と戦ってるかって?自分の中にいる怪物だよ

尾道に行きたくなる『0円で空き家をもらって東京脱出!』

スポンサーリンク

尾道・猫の細道

『0円で空き家をもらって東京脱出!』は2008年に尾道に移住したマンガ家・つるけんたろうさんのコミックエッセイ。

「生きることに疲れている人」

「大量生産・大量消費の世の中にうんざりしている人」

にぜひとも読んでほしい本です。

 家と土地を0円でゲット

アルバイトをしながら東京のアパートでマンガを描いていたつるさん。

成功を夢見ていましたが、なかなかヒットを出せず年収は200万以下。

悩んでいたところへ大学時代の友人からの電話があり、尾道では空き家を1~2万で借りて住めることを知ります。

尾道が気になるものの、その時は移住には踏み切れませんでした。

しかし2007年、観光で訪れた尾道で、空き家再生プロジェクトの発起人・Tさんから「家と土地がタダの物件がある」と聞き、譲ってもらうことになります。

最初は戸惑うことばかりでしたが、空き家に集まった仲間たちと助け合い、アイディアと工夫で乗り越えます。

つるさんを待っていたのは、みんなで力を合わせて卓球場やゲストハウスを作るという、充実した尾道ライフでした。

【つるさん邸のスペック】

  • 築80年
  • 標高40メートル(ビルの10階相当)
  • 固定資産税は1万以下。(斜面地は法律上、新築が建てられず、不便な斜面地は土地の値段が安い!)
  • 珍しい建築なので市の助成金をもらえた。(最大200万円)

空き家が多いのは観光地で有名な山手地区。

レトロな街並みはドラマや映画の舞台にもなっています。

つるさんの場合は、風景よりも尾道の人々に魅力を感じたことが決め手だったようです。

尾道に住むということ

  • 特異な立地の都合で下水道設備が難しい山手地区では、もれなくボットン便所。
  • ヤモリ、蛇、タヌキなどの生き物が家に侵入してくる。(最強の敵はムカデ)
  • 外出時は階段を上り下りすることになるので、つるさんみたいに腰を痛めると非常につらい。

見るだけなら風情のあるいい街ですが、住むとなると大変。

忘れてはいけないのは、家と土地がタダでも、すべてがタダになるわけではないということ。

譲渡、登記などの費用が20万ほどかかったそうです。

古い家なので住めるようになるまで時間がかかるうえに、住んでからも家を直し続けることになります。

移住者の多くはフリーランスで、職探しが簡単ではないことも付け加えておきます。

苦労を上回る楽しみがあるかどうか

もし「住む場所」と
あなたの「居場所」がズレているように感じたら
物理的に場所を変えてみるのも手だと思います
心の問題ではなかったということです
僕の場合は――
自分で自分の生える地面を変えたら
前よりは多少茂った……という
物理現象みたいな

つるさんのように尾道と相性が良い人もいれば、そうでない人もいます。

現地の人とうまくやっていけるコミュニケーション能力は必要ですね。

ないものは作るの精神なので、DIYが苦手な人には厳しいかもしれません。

それでものんびり暮らしたい人にとって、尾道は魅力的な街だと思います。

ただし、すぐに移住するのではなく、段階を踏んでからのほうがよさそうです。

ゲストハウスのスタッフとして現地で働いてみるという手もありますね。

私にとって尾道は「死ぬまでに行ってみたい場所」の一つ。

住むのはハードル高いけど、観光や取材には行ってみたい。