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情熱大陸「怪談家・稲川淳二」(2017年7月9日放送)まとめ&感想

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怪談

こんにちは。お布団の中の勇者ヒキコ・モリです。

今年も稲川淳二の季節がやってまいりました。2017年7月9日の情熱大陸は「怪談家・稲川淳二」。稲川怪談の舞台裏に密着です。ネタバレ全開なので、未見の方はご注意ください。

 新作怪談の台本を暗記する稲川さん

番組のスタートは、怪談ライブに向けて台本を必死で頭に入れようとしている稲川さんの姿。部屋の壁には怪談の原稿がズラッと貼られていました。

「幽霊はいるんですか?」というスタッフの質問に対し、

いる人にはいる、いない人にはいない、でいいんですよ。
だって、皆が見えてしまったら怖くもなんともないし。
見る人と見えない人がいるから怖いんだもん。
不思議だから、怪異だから、怪談になったわけで。
信じられないようなこと、不思議なこと、
それがまして生死に関係するから怖いんですよね

と、おっしゃっていました。

そうそう、はっきりさせないから良いんですよね。なんでも非科学的だと言って否定するのは野暮ってもんです。

ライフワークの怪談ライブ


MYSTERY NIGHT TOUR 2017 稲川淳二の怪談ナイト 〜怪談古希 四半世紀連続公演〜 OFFICIAL MOVIE

怪談ライブの映像にあわせて、稲川怪談の特徴を紹介。

【創作のポイント】

  • 自身の恐怖体験や知人から聞いた実話をもとに話を作る。
  • 登場人物などは脚色あり。

【観客を引き込むテクニック】

  • 細部の描写を大切にする
  • いろいろな種類の擬音を使って盛り上げる

目の前に映像が浮かんでくるような臨場感が、稲川さんの怪談の魅力ですよね。怪談ライブは凝った舞台セットも見どころの一つです(昭和レトロ好きにはツボ)。

ここで間違ってはいけないのは、実話系・体験談形式の怪談だからといって、聞いた話をそのまま使うわけではないということ。稲川さんだけでなく、現代の怪談作家は多少なりともアレンジを加えています。どこを切り取って怖がらせるかが腕の見せ所。

怪談を探す旅

毎年冬から春にかけて怪談のヒントを集める旅に出るそうです。

5月に取材したのは長野県の上田。番組内では詳しい地名は紹介されていなかったので、私がリサーチしてきました。

長野県上田市の白蛇神社

白蛇が祀られている神社です。

白蛇を殺した男が盲目になり、その末裔も盲目になる病を患ったという伝説があります。昭和に入り、山伏が蛇を祀って祟りを鎮めたそうですが、怪奇現象は今でも続いているのだとか。この神社の境内にあるロウソクは、なぜか蛇のような形に溶けていました。

ただ、人間以外の話を怪談に仕立てるのは難しいと稲川さんは言っていました。現代人には昔話のように思えて、リアリティが感じられないんですね。

上田飛行場跡地

かつて軍用機の訓練地だった場所で、終戦前には特攻隊の出撃基地だったそうです。現在は高校のグラウンドになっていました。

仁古田飛行機製造地下工場跡

戦時中、5,000人もの労働者が零戦の部品を組み立てていたという地下工場。山の中腹に、鉄柵で閉ざされた工場の入り口があります。

稲川さんはここで何かを感じ取ったようです。「恐怖の現場」で見せた名(迷)推理が飛び出すかと思いましたが、具体的な話は出ませんでした。

ファンが育てた怪談

工業デザイナーとしてスタートした稲川さんは、偶然出演したラジオで恐怖体験を話したことがキッカケで芸能界に進出します。一時期は、体を張ったリポートをするタレントとしてバラエティー番組に引っ張りだこでした。元祖リアクション芸人ですね。

怪談ライブは今年で25年目。今ではファンクラブまである人気ぶりです。

間違いなく私の怪談は、ファンの皆さんが育ててくれたんです。
私、こんなんで商売できると思わなかったし、やれると思ってなかったんですよ。
「やりませんか」と言われたから今年一年かな、
と思ったら会館が「また来年お願いできませんか?」
「ファンの方々が楽しみにしています」
というのがだんだんだんだん(続いて)で、25年ですからね。

創作現場へ潜入

今まで作った怪談は1,000本以上。それでも稲川さんは毎年新作の怪談を作り続けています。今年は6本の新作を発表するそうです。

怪談の断片が書かれたノートを繋ぎ合わせて一つの怪談に仕上げていきます。実際にノートを切り貼りしてコラージュのように組み合わせていました。綺麗すぎると話題になった直筆の文字も健在でした。

怪談ライブの時期が迫ると、工房にこもって1日18時間も推敲をするそうです。1ヶ月かかって、ようやく怪談が完成しました。

病気の次男のこと

稲川さんは怪談家としての活動の傍ら、障害者への理解と協力を求める講演を続けています。稲川さんの次男の由輝さんは、生まれながらにしてクルーゾン病という重い病気を抱えていました。

息子さんの話を聞いたことはあったのですが、涙ながらに語る稲川さんの姿を見ると、胸をしめつけられるような気持ちになります。綺麗事じゃないから伝わるんでしょうね。

全体のまとめ

驚いたのは69歳という年齢で、びっくりするほどよく働くこと。「夏しか働いていない説」が流れたこともありますが、とんでもない話。

TVで見かけるのが夏というだけです。じつは冬もライブをやっているし、以前はこの他に毎年「恐怖の現場」のDVD撮影もしていました。がんになっても公演を休まなかった稲川さん自身がすてに生きた怪談でしょう。