ひきこもりクエスト

ひきこもりが何と戦ってるかって?自分の中にいる怪物だよ

恥ずかしがり屋あるある『言いたいことが言えない人』/加藤諦三

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内気な子ども

加藤諦三さんの『言いたいことが言えない人』という本を読みました。

誰とでもすぐに仲良くなれる人を見て、自分と何が違うんだろうと悩んだことはないでしょうか。

真面目に頑張っているのに報われない。割りを食うことばっかり。そういう人がこの本を読むと、図星を突かれて悶えるでしょう。

「本当に優しい人は強い」という言葉をどこかで聞いたことがありますが、弱い心のままでは優しくなれない理由がわかります。

本の内容を自分なりに解釈してまとめてみました。悩める人の参考になればと思います。

 謙虚に見えて傲慢

夢のお城

本当は誰よりも認められたい、愛されたいと思っています。状況が許さないから今のポジションに甘んじているだけ。心の中は不満でいっぱい。仏陀のような人格者にはなれないから、人助けをした時は当然のごとく感謝を要求します。そして、望み通りの反応が返ってこなければ怒る。

「こうあるべきだ」と、やたら自分に高い基準を設定するのは、馬鹿にした人間たちを見返したいから。悲しい努力を続けているのです。

万人に好かれたいと欲張るから消耗する。優しい顔をしながら「私が気を遣っているんだから、お前も気を遣えよ」と心の中で毒づく。周りに対する要求が多すぎて満足できない。

聖人君子の呪いを解いたほうが楽になれるでしょう。娑婆で生きるなら“たまに良いことをする俗物“でいい。

恥ずかしいから、歌わない。
下手だから、歌わない。
下手だから、泳がない。
下手でも平気で泳ぐ人がいる。
恥ずかしがり屋の人は、人目を気にして、したいことをしない。
そのうちに自分のしたいことがわからなくなる。
下手だとみんなから笑われると思っている。
下手なことが恥ずかしいことと思っている。
こうして泳ぐ楽しさ、歌う楽しさを捨てている。

魂の孤児(みなしご)

誰もいないブランコ

言いたいことを言えない人は、人と一緒にいる時、つねに緊張状態です。自分の感情を表現することができない苦しみに喘いている。

親がいても心は孤児のよう。周りに味方はいない。相手に何かを捧げること、黙って従うことでしか愛されなかったからです。

何気ない言葉が親の怒りを買って、ひどく責められたことがあったのかもしれません。

そこでフォローがあれば救われるのですが、怖かったという思い出だけが恐怖体験として心に刻まれると、行動を制限する「恐怖システム」が構築されるてしまうそうです。

怒られたくないから余計なことを言わない。大事なことも聞けない。困っているのに助けを求められない。自分が否定される恐れがあるものは徹底的に避けたい。

コミュニケーションの場でいつも「恐怖システム」に縛られている。

それが相手の誤解を招くことになってしまうんですね。

恥ずかしがり屋の人は、「なんで?」と聞かれると不安になる。
人は「なんで?」と意味がなくても聞くことがある。
人はなんで不愉快になるのか。
それは気持ちがずれるから。
人が「なんで?」というのは、ズレを埋めようとしているだけ。
それが会話。
逆に恥ずかしがり屋の人は、人から「いけない」と言われると、「どうしていけないの?」と聞けない。
信頼を築きあげる第一歩。それが聞くこと。

不毛な完璧主義

身の丈に合わない理想

子どもの頃、自分の人生に大きな権限を持つ人物によって不当に高い目標を課せられた過去があり、そのことを清算できないまま内面化している。

あるいは、親にありのままの自分を受け入れてもらえなかったことで自分には価値がないと思ってる。特別な人間にならなければいけないという強迫観念がある。

生きている実感がわかない。どこにいても居場所がないような気がする。リアルな自分をリアルに感じられなくなっている。

地位や名声がほしい。みんなを黙らせるだけのものを持っていれば、社会から追放されないから。

高すぎる理想を追っているからいつまでたっても届かない。

ただでさえ低い自己評価がさらに下がっていきます。

そうなると「普通レベル」では満足できなくなってくる。ゲームを引っくり返すくらいの力がほしい。そうやってハードルを上げるから、いつまで経っても目標をクリアできない。

苦しみから逃れるためには、弱い自分を曝け出すこと。嫌われるかもしれないという不安を乗り越えた先に光が見えくるそうです。

現実はあるがままに受け入れなければならない。大切なのはそのあとである。
「それにもかかわらず、私は価値がある」と自分に誇りを持つことである。
実際、理想の環境に生まれ、理想の環境で育った人で偉大な人というのはいるだろうか。
偉大な人とは、その理想でな環境を乗り越えた人なのである。

なるほど、私が「ひきこもり」「中卒」「ブス」「バカ」とプロフィールに書いているのは良かったんでしょう。良いってことにしておきましょう。

露悪趣味な気もするけど、盛ってる人よりは気が楽だなって思いました。意識高い系なんて見てるだけで疲れるわ...( -_-)

警戒心が強いのに隙だらけ

警戒する猫

言いたいこと言えない人は、人間関係に恵まれなかったから他人を信用していません。リトル中島義道な人嫌い。大人しいんじゃなくて、文句を言われたくないから主導権を取らない。

そのくせ見栄っ張りでワガママ。本音は言わないけど意図は汲んで欲しい。

褒められるとすぐ調子に乗る。ちょっとでも悪く言われると際限なく凹む、の繰り返し。

この本では、自己評価が安定しないのは親の教育に一貫性がなかったからだと説明されていました。気まぐれに褒められたり怒られたりしてきたから自分の中に軸がないんだそうです。

強いものには弱く、弱いものには強い。もともと人間が嫌いだから、相手が自分より弱いと分かれば容赦なく攻撃する。

でも、強くてずるい人には媚びてしまう。

自分を甘やかしてくれる人の前では本性を出してやりたい放題、自分を騙す人に気を遣ってゴマをする。

これじゃあ、まともな人間関係を築けなくて当然ですね。

いじめられっ子といじめっ子は紙一重というけど、言いたいことが言えない人は自分が加害者になる可能性が高いことを自覚した方がいい。

いじめる側になったら立場は強くなっても負けだよね。自分の中にいる怪物に負けたということです。

利害関係や上下関係ではなく、対等な関係を結べるようになるのが最終目標。お互いの欠点を受け入れられるのが本当の友達ってことなんでしょう。

社会的に望ましい存在ではなくても「この人」は受け入れてくれるという安心感が自信につながる。
ありのままの自分が受け入れられると感じたときに、自己表現ができる。そこにその人の個性が表れる。

黙っているのが美徳じゃない

カギの掛かった扉

改めて書き出してみると、相当こじらせている人間だということがわかります。
心理的に健康な人からすれば、「言わなくてもわかってほしい?なんでお前の介護をしてやらなきゃならんのだ」という話でしょうね。いままで無理させてゴメン……。

ただ、すべての原因が親にあると言い切っているところは意見が分かれそう。

うちは両親はこの本に書いてあるような暴君要素は少なめでした。親自身が「言いたいことが言えない」タイプで、我が子に対してもよそよそしいくらい。

昔は親と火花を散らしたこともあったけど、そこそこ平和にやっています。お互いに色々なことを諦めたからでしょうね。

ただ、愛する親が浴びるように酒を飲んでいる姿を見て心が傷まない子どもはいないし、都合の悪い事実を隠して幸せな家族ごっこをするのは虚しいことだと今でも思っています。親の不安は子どもに伝染します。それだけは言える。

夢かわいい早朝の空

ところでこの空の色、イイ感じじゃないですか?

水色の中にピンクが混じっている。

「ゆめかわいい」感じの空だったから、早朝、家を飛び出して写真を撮りました。みんなに見せたかった。

自分の大切なものを汚されたくないという気持ちがあって、好きなものを共有することができなかったけど、この本を読んで少し気持ちが変わってきました。

空が綺麗だね

それが今日、私があなたに言いたいこと。