ひきこもりクエスト

ひきこもりが何と戦ってるかって?自分の中にいる怪物だよ

ひきこもるくらいなら隠居しろ!『年収90万円で東京ハッピーライフ』

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夕暮れ

Myriam ZillesによるPixabayからの画像

 

15~39歳までのひきこもりは54万人、40~64歳までのひきこもりは61万人いるそうです。

一昔前と違って「ひきこもりたい気持ちもわかるよ」「自分もひきこもりたい」という声を聞くことも増えました。潜在的なひきこもりを含めたらかなりの数になるのではないでしょうか。

ひきこもりは楽じゃないと以前もブログに書きましたが、「いま死ぬ勇気がないのでひきこもって先延ばしにしている」ような状態であって、生きているとはいえません。

自由に憧れているなら大原扁理さんの『年収90万円で東京ハッピーライフ』を参考にされるといいと思います。

なるべく働かず、質素に暮らして節約。自由な時間を増やす

著者の大原さんは20代から週2日だけ働き、週休5日の隠居生活をしています。この本を書いた頃の月収は7万円。多摩地区の2万8千円のアパートを借りて生活していました。(いまは台湾に移住して月5万で隠居生活続行中)。

隠居というと一生分の資産を作って引退するとか、資産運用しながら働きたい時だけ働く生活を想像しますが、25歳で無職になった時、大原さんの貯金は20万くらいだったそうです。お金に余裕があるわけではないけれど、お金を使わなければ必要以上に働かなくてもいいという考え方です。

隠居前は杉並区の7万円のシェアハウスに住んでいて、高い家賃を払うためにアルバイトに明け暮れる苦しい日々だったそうです。

 目の前にある選択肢から、どれをやりたいかではなく、やりたくないものからどんどん消去していきます。残ったものから「これならまあガマンできるかな」というものを選ぶんです。あー、いいのいいの、完璧じゃなくて。これ正解とかないですから。
 繰り返しますが、大切なのは「好きなことで生きていく」じゃなく、「イヤなことで死なない」。そんなハードル高く設定しないほうが、あとから絶望しなくてすむんです。

「好きなことで生きていく」じゃなく、「イヤなことで死なない」

この言葉が強く刺さりました。日本はお金持ちであれ貧乏人であれ、イヤなことで死にそうな人だらけだと思います……。

ミニマリストでもなく、ただの貧乏でもなく

ミニマリストは持たない暮らし。所持品をできるだけ減らし、シンプルな生活を好みます。こだわりが強いので窮屈な気がしないでもありません。

その点、隠居にはこだわりがないようです。物はあってもなくてもいい、という身軽さです。

ただの貧乏との違いは丁寧な暮らしをしていること。食事は玄米、自家製スコーン、スープなどで、野菜代わりに野草をとって食べたりもします。手軽でもジャンクフードは口にしません。

大原さん自身も清潔感があって、とても生活保護基準以下で生活している人には見えない。いっそおしゃれ系男子といってもいいほど。世間が考える貧乏とは程遠いです。

いじめの描写がきつかった

挿絵も本文もまったりしていて読みやすいのですが、いじめの場面だけは胸が痛くなりました。

 校舎の屋上に連れて行かれて、その端っこに立たされて、「ここから飛び降りなかったら殺す」って言われたこともありました。もちろん飛び降りられず、袋叩きに……。あの校舎の縁から地面を見下ろしたときのことを、今も覚えています。下から吹いてくる気持ちの悪い風に、膝が震えちゃってた。「あれ? あんなに死にたいと思ってたのに、体っていざとなると生きたがるんだな~」なんて他人事みたいに思ってて、ヘンな体験でしたね、あれは。
 先生にも相談したけど、「そういう上級生が来てから言いなさい」と一蹴。真剣にとりあってくれません。来てからじゃ遅いから相談してるのに。子どもというのは繊細なもので、この一言で心の扉を閉ざしまくりました。これはもう、無理だ。

暴力的ないじめだけでなく性的いじめにも遭っていたそうです。内容が内容だけに大人に相談したくない気持ちもわかります。

大原さんほどではないですが、私の小学校時代も真っ暗でした。体育の授業で体操着を忘れて、先生に「服を脱ぎなさい」と言われたことが忘れられません。私は「嫌です」と断りましたが、他の女の子が下着姿になってしまっていて……。「暑いからあなたも脱いだら?」としつこく先生が言ってきて気持ち悪かった。いまだったら確実にセクハラです。

先生がこんな調子ですから、生徒の質も推して知るべしです。女子に卑猥なことばっかり言ってくる男子や、サニタリーボックスを漁って誰が生理になったのか調べるのが趣味な女子。周りは敵ばかりでした。同じ男子生徒から下半身のことでからかわれている男の子もいたし、同性からの性的いじめも残酷でした。

大原さんもさんざん不良にいじめられて、今も暴走族のバイクの音を聞いただけで震えてしまうそうです。

でもブログにこんなことを書いていました。

ちょっとよその家にお邪魔するときなど、手土産に男性器型に成型したスコーンを焼いて持っていき、カマトトぶった女たちを赤面させるというのをライフワークにしています。

https://ameblo.jp/oharahenri/entry-12067416301.htm

 

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同情して損した。んもーーーバカーーー!!!!!!

せっせと作ってるところを想像したらちょっと笑えますが、下ネタが許されるキャラじゃないと本気で嫌われそう……。なんだかんだで周りの人に愛されているんですね。

これが正解かどうかはわからないけど、一つの攻略法として

日本には労働信仰が根強くありますが、必死に働いても報われないなら働きたくないのが本音でしょう。

隠居生活が働きたくない人にとっての理想郷かどうかはわかりません。でも働くか死ぬかの二択しかない世界は苦しい。そこに「ちょっとだけ働く」という三つ目の選択肢があってもいいと思います。

大原さんは対人関係に難がある社会不適合ではないので、友達や知り合いと助け合って生きられる人間力高めのタイプ。

コミュ力が必要ですから隠居も思ったほど簡単ではなさそうですが、ブログやYouTubeで一発当てるよりは現実的だと思いました。