父を例に出してイケメンが全員勝ち組になれるわけじゃないとお話しましたが、イケメンだから許されることも当然あります。
そのことにも触れておかなければいけませんね。
一途なイケメン、ブサイクだったらストーカー
母は昔から女子力が皆無でした。会社に行く時ですら化粧をしない、いわゆる干物女です。休日は中学校の赤いジャージで過ごし、家族から「赤忍者」と呼ばれていました。
そんな赤忍者に一目惚れしたのが父です。娘を麗子像呼ばわりする美的感覚の持ち主ですから、ちょっと変わった女性がお好みなのかもしれません。
母にとって父は兄の友達の一人でしかありませんでしたが、毎日電話をしてくるので根負けしたと言っていました。一年も放っておいたのに諦めなかったそうです。
母曰く「イケメンじゃなかったらただのストーカー」。
祖母も父の美貌を気に入って「誠実そうな人だから結婚しなさいよ」と母に勧めたそうです。イケメンゆえにストーカー扱いされることなく、かえって誠実そうだと評価され、好きな女性とゴールインできたのです。
母は「ブサイクだったら絶対に結婚しなかった」とも言っていました。さすがジャニーズと韓流スターのファン。容姿のジャッジが厳しいです。結婚後に20kgも太った母に幻滅しなかった父は心もイケメンだと思うのですが……。
ちょっとくらいキモくても拒絶されない
父はたいへんな寂しがり屋で、一人で布団に入るのを嫌がります。
「一緒に寝てくれないと寝ない」と拗ねるので、私か妹のどちらかが、父が寝るまで添い寝してあげます。
けっこう大きくなるまで添い寝していたのですが、よく考えたらキモいかもしれません。父は童顔でおじさんのキモさがなかったので失念していました。
非イケメンのお父さんたちは何もしなくても娘に「キモい」「汚い」と罵られるのに、父はイケメンなのでキモいことを言っても同情してもらえるのです。
変質者紛いのことをしてもキモがられないのがイケメン最大のアドバンテージでしょう。
ただ、内面がものすごくイケメンならキモさを顔面でカバーする必要はない、とも言えそうです。