今年のゴールデンウィークは『鬼滅の刃』を読みました。
社会現象になった漫画は他にもありますが、とりわけ鬼滅の人気はすさまじく、普通の単行本でさえなかなか手に入らないことがあるそうです。快く本を貸してくれた鬼滅ファンの妹に感謝いたします。
ストーリーに目新しさはないけどキャラが素晴らしい
舞台は大正時代。人食いの鬼が存在する世界。
鬼に家族を殺され、妹を鬼にされてしまった少年・炭治郎は家族の仇を討つため、妹を人間に戻すため、鬼を狩る剣士となります。
失った弟の体を取り戻す(人間に戻す)
→鋼の錬金術師
→母を殺した巨人を駆逐するため調査兵団に入る→進撃の巨人
あたりと被るのでストーリーはわりと王道なのではないでしょうか。
対してキャラクターはみな個性的。脇キャラや敵の鬼たちにもそれぞれ物語があります（ファンブックを見るとかなり細かく設定されているようでした）。
まず主人公の炭治郎が天然。切羽詰まってる時にどうでもいいことを大真面目に考えていたりして笑えます。
仲間の善逸や伊之介はちょっと変どころではなく濃いし、炭治郎の刀を作った刀鍛冶の鋼塚さんにいたってはキ印です（いい意味で）。
容赦なく人が死んでいくシリアスな展開にもかかわらず、コミカルな場面は大いに笑える……このさじ加減が鬼滅の面白さなのだと思います。
説教くさい台詞は少なめ。努力は万能じゃない
ジャンプ漫画によくある説教セリフが少なめ（キャラによりますが）で社会不適合者にも優しい仕様。セリフよりエピソードで見せてくれるので押しつけがましくないです。
昭和的な努力万能主義はなく、意欲があってもそれに見合う能力がなければ物事を成し遂げられない、というハードモード設定です。ジャンプの努力・友情・勝利の原則も時代に合わせてアップデートしているようでした。
アニメが毎回映画みたいな出来栄え
「作画も綺麗だけど、とくにアクションシーンが恰好良い」と妹が教えてくれました。漫画だとわかりにくい技もアニメで見ると流れるような動きで美しいです。
鬼が棲む無限城もスケールが大きくて豪華絢爛。アニメ化で爆発的な人気が出たのも頷けます。
優等生的な作品じゃないところがいい
何度ネームを提出しても会議で落とされ、崖っぷちの状況で生まれたのが『鬼滅の刃』だったそうです。
100ワニは素人だと思ってた彼女が玄人だった……みたいなガッカリ感がありますが、鬼滅は地味なクラスメイトが国民的スターになったような流行り方で好感が持てます。
ステイホームできなかったおかげで鬼滅のガチャとお菓子にホイホイされるひきこもり。これだから外出しないほうがいいと言ったのに……。
