接客がなく、ひきこもりに向いていると噂のラブホのバイトをやってみました。
雪国の冬は寒くて暗くて、家にいると気が滅入ります。
母がテレビ好きなので家は一日中テレビがつけっぱなし。うるさくて仕事に身が入らないこともよくあります。過保護な母親と毎日顔を突き合わせているのもしんどいんですよ。
味気のない生活をしているとやる気がなくなるし、ブログのネタもなくなっちゃうんですよね。
日の当たる道を歩いている人はラブホの裏側を見る機会なんてないでしょうが、興味を持っている人はけっこういるんじゃないでしょうか。
みなさんの代わりに5chに書かれている噂を検証してみるのも悪くはないなと思いました。金をもらってラブホの見物ができるなら一石二鳥です。
兎にも角にも不衛生 ※潔癖症の方はブラウザバック推奨
汚いと聞いていたので覚悟はしていましたが、発展途上国並みの衛生環境でした。
掲示板に書かれているような血や汚物で汚れた部屋がなかったのが救いです。お客さんは普通のカップルが多く、危ないおクスリを持ち込むような人もいませんでした。ホテルには幽霊の噂がつきものですが、幽霊も見なかったですね。
新人が最初に任されるのが一番しんどいお風呂の清掃です。客の使用済みタオルやシーツを使って水滴と湯垢を残さないように拭きます。
専用のタオルを使っていない時点で汚いのですが、これは序の口。使用済みタオルで電気ポットの内側を拭き、便器と便座も拭いていました。
紙コップは未使用なら回収せずに戻しておきます。コップの内側を指でなぞって使った痕跡があるかどうかを確かめていました。ベテランの清掃スタッフに「どうせ客が使うんだから」と言われて吐き気が……。未使用でもケチらずに捨ててほしかった。
使用済みのアメニティのクシも捨てずに回収していました。あらゆる物を使いまわしていましたが、消毒しているのは見たことがありません。
清掃の基準は見た目がきれいかどうか。衛生面はまったく考慮されていませんでした。室内に水滴・湯垢・髪の毛が残っていなければいい。清掃というより、菌を撒き散らしているだけですね。匂いはファブリーズでごまかしているだけです。
リネンの棚の前でタバコを吸っている従業員を見て絶句しましたが、それを注意しない職場の人たちもどうかと思いました。
いま若い女性たちの間で「ラブホ女子会」が流行っているそうです。ラブホは値段のあわりに内装が凝っているので、入ってみたくなる気持ちもわかります。でも安く利用できるホテルにはそれなりの理由があると考えたほうがいいでしょう。
とくに備品には触らないほうがいいですよ。いつアウトブレイクしてもおかしくない状況ですから。
ゴミの分別もめちゃくちゃで、カミソリをそのままゴミ袋に放り込めと言われました。ペットボトルの蓋も外しません。ゴミを捨てながら、心のなかで回収業者さんに「ごめんなさい」と謝っていました。
客の悪口で盛り上がる
仕事が仕事だけに、ラブホの従業員は一癖も二癖もある人間揃い。よくいる意識高いバイトやヤンキー・体育会系がいない代わりに陰湿です。
なかには誠実そうな人もいましたが、そういう人に限ってさっさと辞めてしまうんですよね。まともな神経を持っている人には務まらないのかもしれません。
のほほんとしているのは私だけで、ほかの新人バイトは切羽詰まった様子でした。地上の蟹工船みたいな雰囲気です。
従業員たちは常連のお客さんに「出会い系の女」「電マのおやじ」などの蔑称をつけていました。それ以外にも「ブサイクな客」とか「あいつらバカだから」とか、お客さんに対して言いたい放題です。
そのブサイクとバカのおかげで生きているあなた方は何なんでしょうね。忙しくて考える余裕がないのか、特大のブーメランが刺さっても気がつかないようです。
堂々とお客さんの悪口を言うくらいですから、当然のごとく他の従業員の悪口も言っていました。
衛生観念も低ければ職業意識も低いのにプライドは高い。ラブホ従業員が最底辺職と言われる理由がよくわかりました。
コンビニのクレーマー客とラブホの従業員をコロシアムに放り込んで戦わせたら面白そうですね。民度の低さならどっちもどっちです。
ひきこもりに向いている仕事なのか
大きなホテルはフロント業務と清掃にわかれていますが、小さなホテルならだいたい兼業だと思います。フロントといっても接客はほとんどなし。
パネル式ならお客さんが自動精算機で支払いをするので、お金の受け渡しをすることはありません。せいぜい電話を取ったり、機械の操作がわからないお客さんに教えたりするくらいです。たまにレンタル品を部屋に届けることもありますね。
ラブホ従業員は隠密行動が基本。お客さんと会わないように監視カメラで確認しながら移動します。これだけはステルスゲームみたいで楽しかった。
一般的なホテルと違ってチェックアウトの時間がまちまちなので、部屋が埋まっている間は待機になります。暇な時間もあるので、肉体的には楽な仕事の部類に入るでしょう。
しかし、接客がないからといってコミュ障に向いていると思ったら大間違い。
ひきこもりを積極的に雇用しているラブホもあるらしいですが、ラブホは癖のある従業員揃い。人間関係が狭く、古参の従業員に気に入られなければ針の筵です。やるなとは言わないまでも、期待しないほうがいいよ、と伝えておきます。
衛生状態が悪く年中客の悪口を言っているような劣悪な環境に、繊細な心を持ったひきこもりが馴染めるとは思えないんですよね。ネタとして行くなら面白いかもしれませんが。
ラブホの求人は「レジャーホテル」「アミューズメントホテル」で探すと見つかります。
面接に受かるかどうかは心配しなくていいですよ。「前科者でも受かる」という噂どおり、何も聞かれず即採用でした。
東京以外の時給はくっそ安いと思ってください。昼間はコンビニレベル。男性なら夜のシフトに入ったほうがいいでしょう。
私はもう辞めましたけどね。
すべてのラブホが不衛生で環境が悪いとは限らないので、私の話は参考程度に聞いておいてください。とくに人間関係は当たり外れが大きいと思います。