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豪商の館・旧小澤家住宅に行ってみた【新潟市中央区】

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旧小澤家住宅の外側

妖怪スタンプラリーで立ち寄った際に見学した旧小澤家住宅をご紹介します。

小澤家は新潟を代表する商家。江戸後期には「小澤屋七助」の名で米穀商を営んでいました。

明治初期になると当主が「七三郎」に改名し、回船業をはじめます。以降、運送業や地主など、さまざまな事業に進出していきました。

旧小澤家住宅は新潟の豪商・小澤家の店舗兼住宅です。ここでは典型的な新潟の町家造りを見ることができます。

 鑑賞の美と実用の美

旧小澤家住宅の茶の間

中に入ると外の暑さが嘘のように涼しかったです。

徒然草にも「家の作りやうは、夏をむねとすべし」という一節がありますが、日本家屋は風通しが良くて涼しいんですよね。

過ごしやすいように屋根にも工夫があります。

小澤家の屋根は雪国特有の「せがい造り」。通常よりも長く張り出した軒が冬の重い屋根雪に耐え、夏の日差しを遮ってくれます。

旧小澤家住宅の台所

暗い。だがそれがいい。

日本家屋の魅力はこの暗さです。

見えない部分があるからこそ、想像力を掻き立てられるんですよね。

谷崎潤一郎が『陰翳礼讃』で論じた陰影の美がここにあります。

旧小澤家住宅の仏壇

座敷の奥に仏間があります。

仏壇は小千谷市の仏師・柳田庄左衛門の作。

模様入りシケガラス

貴重な模様入りガラス。

模様入りケシガラスと呼ばれているものだと思います。

百合ノ間に置かれた漆器

ちょうど「新潟の漆器」という企画展が開催中で、漆器が並べられたお部屋もありました。

この百合ノ間には豪華な木材がふんだんに使われています。

床柱・・・かりん(インド紫檀)
床板・・・黒檀
床框・・・黒柿
落し掛け・・・紫鉄刀木

百合ノ間・透かし彫り

モダンな花の照明と見事な花の透かし彫り。

百合ノ間から見える庭

外に張り出しているので庭がよく見えました。

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台所横の休憩コーナにはお茶のサービスもありました。

細かいところまで気配りが行き届いていますね。

撮影禁止エリアだったので撮影は控えましたが、当時の道具が展示されている道具蔵もありました。

店舗建住宅なので過剰な華やかさはなく、人が暮らしていた温もりが感じられます。

著名人から贈られた書の数々

誰もが知っている著名人から贈られた書も飾られていました。

小澤家の華やかな交友関係がうかがえます。

池田勇人(1960~1964年総理大臣)/茶の間

池田勇人の書

 

老成之友老成の友)」

“歳を重ねて熟した間柄の友人“ 

流れるような文字です。

東郷平八郎(海軍軍人)/仏間

東郷平八郎の書

以一貫之一を以って之を貫く)」

“一貫して変わらずに道を進む“

一つの使命を貫くという孔子の信念が込められた論語。

重厚な線に意思の強さを感じます。

吉田茂の書もあったんですが、写真を撮り忘れてしまいました……!ぐはっ!(切腹)

書の言葉は「學而時習之学びて時に之を習ふ)」

“学んだことを時に応じて反復して理解を深める“

学ぶことの喜びを教える論語ですが、学習能力のない私には届かなかったようです^^;

コレクションルームのような庭

旧小澤家住宅の庭園

庭は賓客をもてなす社交場として使われていました。

北前船で北の港と西国を行き来し、商品を売り買いしていた小澤家のコレクションを見ることができます。

この船は寄港地で安く仕入れた商品を高く売れる港で売る、商社のような役割をしていました。

買い付けのセンスが問われる仕事なので目は確かでしょう。

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須弥山(仏教の宇宙観において、世界の中心にあるとされる山)を再現した石です。

佐渡の石

雨の日はより鮮やかに見えるという佐渡赤玉石。

清水焼の灯籠

清水焼の陶工・5代 清水六兵衛が製作した陶製の灯籠です。

鶴のオブジェ

子どもたちのために設置された鶴の置物。

四国・紀州から渡ってきた石

この青緑色の石は四国や紀州から運ばれてきたものだそうです。

庭から見た茶の間

茶の間を庭から見ると、また違った趣があります。

佐渡金銀山の石臼

丸い穴が開いている石は、佐渡金銀山で使われていた石臼。

藤棚

藤棚は5月が見ごろだそうです。

時間を忘れるほど癒やされました

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受付の方に「はじめてお越しですか?」と聞かれました。何度も訪れるリピーターの方も多いんでしょうね。

一つ一つのお部屋の規模はそれほど大きくありませんが、さらりと贅沢な素材を使っているところに豪商の財力を感じます。

都合が合えばボラティアガイドの方が解説してくれることもあるようです。

受付で見どころのメニューを貸してくれるので、日本家屋の知識がなくても楽しく見学できますよ。

帰りに反対側の戸を開けようとする、というボケをかましてしまいましたが、職員の方が「逆ですよ~」と優しく教えてくださいました。

商家らしいおもてなしの精神にあふれたお屋敷でした。

旧小澤邸住宅
所在地:新潟市中央区上大川前通12番町2733番地
電話番号:025(222)0300
開館時間:9:30~17:00
休館日:毎週月曜日(※休日の場合は翌日)
    年末年始
    ※臨時休館あり(サイトのトップページで確認)
入館料:一般 200円(160円)
    小・中学生  100円(80円)
    ※カッコ内は団体
    みなとぴあ・旧斎藤邸別邸とのセット券もあり
    ※土日祝日は小・中学生無料
アクセス:新潟駅万代口 観光循環バス「北前船の時代館前」下車
            C6八千代線「東堀通12番町」下車 徒歩3分
            C7柳都大橋線「港町通2丁目」下車 徒歩3分
駐車場:あり

URL:http://www.nchm.jp/ozawake/index.html