同業者にもファンが多いYouTube投稿者(YouTuberと呼ばれるのが嫌いらしい)、ステハゲさん。
いままで炎上を狙っても炎上する気配すらありませんでしたが、平成最後の4月30日、天皇陛下(いまは上皇陛下ですね)をdisって炎上。
元動画はすでに削除されていますが、例によって転載されまくっているのでデジタル・タトゥーとしてネットに残り続けるんでしょうね……。
皇室disだけはダメ・絶対
ステハゲさんの件があってもなくても、皇室だけはdisってはいけないとブログに書くつもりでした。底辺YouTuberあたりがやりそうだと思ったので……。まさかステハゲさんクラスのYouTuberがやるなんて想像もしていませんでした。
ステハゲさん世代は知らないかもしれませんが、1980年に月刊誌『噂の眞相』が皇室ポルノ記事を掲載して右翼団体に圧力をかけられる事件がありました。2011年にはアングラ芸人の殿方充がYouTube動画で天皇陛下の下品なモノマネをして大炎上したことがあります。
ひきこもりの私が知ってるだけでもこれくらいありますから、皇室ネタがどれだけ危険なのかわかると思います。炎上を狙うならギリギリのところを攻めていかなければいけないのでしょうが、皇室disは無茶をしすぎました。
しかも動画も出来も良いとは言えず、とって付けたような下ネタで……。殿方充のほうがまだやり切った感があります。
ステハゲさんの炎上に言及したスーツ君の株が上がるという展開も、だいたいの視聴者の予想通りだったのではないでしょうか。
ステハゲとパンク・ロック
Sex Pistols - God Save the Queen
思えば、ステハゲさんは自虐どころが自爆キャラでした。恥を晒して失笑を買うスタイル。かっこよく表現すればパンク・ロッカー的です。
よく上半身脱いで動画に登場することや、長身で妙に色白なところがパンクの象徴シド・ヴィシャスのようです。
私も一時期はステハゲさんパンク・ロッカー説を推していたのですが、ステハゲさんがリヴァプール・ジョン・ムーア大学に通っていたことを知り、「こいつはファッションパンクだ」と失望したのでした。
リヴァプールはビートルズの出身地。パンクはロンドンでなければいけません。シドがベースを担当していたバンド、Sex Pistolsはロンドン出身だからです。
しかし、ステハゲさんが天皇陛下をdisったことで見方が変わりました。ピストルズもイギリス王室・政府・キリスト教を批判しています。
やっぱりパンク・ロッカーだったのか、と納得する一方でこれは大変なことだと思いました。女王陛下を馬鹿にしたピストルズのメンバーが、愛国者に襲撃された事件があったからです。
こんな時だけパンク魂を見せなくても……と心配になりました。個人でチャンネルを運営しているとやりすぎてしまうこともあるのでしょう。
シド・ヴィシャスは私生活でもパンクな生き方を徹底したため、21歳で亡くなりました。破滅的な生き方だけは真似しないでほしいものです。
失礼ながらステハゲさんはちょっと老け顔です……。30代40代になったらもっと素敵になりそうですから、命は大事にしてください。
ステハゲさんは大喜利コメントが嫌い?
「大喜利コメントが嫌で動画投稿をしないのですか」という視聴者の質問に答えている動画です。
ステハゲチャンネルでは視聴者が大喜利コメントをするのが毎度おなじみなのですが、動画に関係ないコメントも多く、つまらないと感じる視聴者もいるようです。
「コメントなんて見てない」
「ステハゲチャンネルのコメント欄には何を書いてもいいけど、他で迷惑がかかることをしないでほしい」
とてもステハゲさんらしいお答えだと思いました。
視聴者が動画をどう解釈しようと視聴者の勝手だろうと。作家の京極夏彦も「小説に誤読はない。受け取った人の数だけ意味がある」みたいなことを言ってた気がします。
視聴者がステハゲさんの行動をいくら深読みしようと、そこに意味なんてないのでしょう。
ロックが技巧に走り、高尚な芸術になっていくことへの反動からパンクは生まれました。お金がない、楽器が弾けない若者だってロックをやれるんだ、というムーブメントです。
ステハゲさんの言葉は自分と同じ高学歴系のYouTuberに対して「頭で考えることなんてたいして意味がないよ」って言っているようでもあり……。
スーツ君のような天才演出をしないのでくだらないことをやっているように見えますが、YouTube芸人としてはステハゲさんのほうが天才かもしれません。そう思わせるのも計算のうちかもしれないけど。