ひきこもりクエスト

ひきこもりが何と戦ってるかって?自分の中にいる怪物だよ

日本のエジソン?ドクター中松の華麗なるフカシ芸

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気持ち悪い笑顔のピエロ

ひきこもりが「世の中は不公平だ」というと、負け惜しみに聞こえるかもしれません。

しかし、この世の仕組みは複雑怪奇。フェアプレイで成功する人ばかりではないんですよ。

日本一有名な発明家・ドクター中松には、本当は何も発明していないのではないかという疑惑があります。

 「醤油ちゅるちゅる」と「石油ポンプ」は別物

「醤油ちゅるちゅる」とは、醤油の入れ替えに苦労していた母のために開発したという、ドクター中松の代表作の一つ。

寒い台所で一升瓶から醤油差しに醤油を入れるのは大変なので、瓶を置いたまま移し替えられる道具を考えたのだそうです。

 巷でよく聞く「石油ポンプの正式名称は醤油ちゅるちゅる」説はまったくのデタラメです。

醤油ちゅるちゅるはドクター中松が「サイフォン」の名で実用新案登録している発明品で、現在の石油ポンプとは構造が違います。

美談に水を差すようですが、お母さんを助けたいなら醤油ちゅるちゅるを発明するよりも、醤油の入れ替えを手伝ってあげたほうがいいのでは……。

毎回、使った後の醤油ちゅるちゅるを洗うのは手間です。(ドクター中松は料理をしないから気がつかないんでしょうね)

目を疑うほどスゴい肩書き

  • 発明件数・世界一(ドクター中松:2,360件/エジソン1,093件)
  • 米国テスラ学会から、アルキメデスやキュリー夫人と並び「もっとも偉大な科学者5人」に選出された
  • アメリカのいくつかの市で名誉市民になる、「ドクター中松記念日」が制定される
  • ニューズウィーク誌で世界の十二傑に選ばれた(1時間1万ドルの価値がある)

 ……etc

つよい。

SNSで自慢している小物とは比べ物にならない肩書ですね。しかし、彼らと決定的に違うのは、ドクター中松は嘘をついてはいない、ということです。

もちろんトリックはあります。

トンデモ本ウォッチャーの「と学会」が見破りました。


◆発明件数・世界一

発明件数であって、特許件数ではありません。

エジソンの特許件数は1,093件。中松義郎(ドクター中松の本名)氏の特許件数は193件。

特許件数ならエジソンの圧勝です。

◆米国テスラ学会から「もっとも偉大な科学者5人」に選ばれた

米国テスラ学会の本部常任理事はドクター中松です。自分で自分を選んでも悪くはないですけどね……。

◆アメリカのいくつかの市で名誉市民になる、ドクター中松記念日が制定される

アメリカには、何かしら貢献すれば誰でも名誉市民にしてくれる市があるそうです。寄付をすることも立派な貢献。べつに発明で貢献しなくてもいいんです。

◆ニューズウィーク誌で「世界の十二傑」に選ばれた1時間1万ドルの価値がある

元記事は、ニューズウィーク誌に載った講演料のリストです。1時間1万ドルは講演料のことでした。


どれも拡大解釈をしているだけで嘘と言い切れるものではありません。じつに巧妙です。このへんがショーンKなんかと違うところです。

フロッピーの発明者だった?

IBMがフロッピーを生産発売したのが1972年。

IBMが中松氏とフロッピーディスク関連のパテント契約したのが1977年。

なんと契約の前に生産が始まっています。

中松氏は1948年、東大在学中に「ナカビゾン」を発明し、特許を取得していました。

ナカビゾンは紙製のレコードです。しかし、フロッピーとは似て非なるもの。多少似ているとしても、権利が認められるかどうかは疑問です。

そこで不思議なのはIBMが中松氏とパテント契約したという話。特許出願から20年で権利は消滅しているはずです。

どうやらIBMは日本の特許に抵触するリスクを避けるため、構造が少しでも似ているものがあれば契約するという予防策をとっていたようです。

契約したと言っているのは中松氏なので、これもフカシかもしれませんが。

中松氏は1958年にシンクロリーダーとの類似性を指摘されるまで、特許の商業的な価値に気づいていなかったそうです。

特許は金になる

この時、幸運の女神が囁いたのでしょう。

ドクター中松の最高の発明品

それはまちがいなく、ドクター中松という発明家です。

インターネットが普及した今と違って、大衆が騙されやすかったことも幸運でした。

特許ゴロといえばそれまでですが、目の前に宝の山があるのに手を出さないでいられる人がどれだけいるのでしょうか。

そう思うと、ドクター中松を責める気にもならないんですよね。べつに一般人から金を巻き上げているわけでもないし。(こういうやり方が通用する世の中はクソですけどね)

永久機関を発明した、なんて景気のいいホラ話を聞かせてくれるのはドクター中松くらいです。

キラキラした人がもてはやされる世界は息苦しい。

矢追純一や宜保愛子みたいな、うさんくさい有名人が活躍していた時代を懐かしく思うのでした。