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青空の下でガンギマリの祝祭!新感覚ホラー映画『ミッドサマー』感想(ネタバレあり)


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2,3年前に話題になったのに1秒たりとも見たことがなかった映画『ミッドサマー』をついに見ました。きっかけはゾゾゾの皆口くんがおすすめ映画に挙げてたからです。

 

マニアといえるほどじゃないけどホラー映画もたまにる自分からすると皆口くんは比較にならないくらい強い。良いものも悪いものも浴びるように見て鍛えてないとあの感性は育たないと思います。

 

その皆口くんに「今後絶対追いかけ続けたいクリエイター」と言わしめたアリ・アスター監督とは何者なのか。俄然興味がわいてきました。

 

『ミッドサマー』はガーリーな雰囲気とは裏腹に凶悪な映画です。

 

卒業制作で息子が父親を強姦する短編を撮るような監督だと言えば作風がなんとなくわかるでしょうか。いま嫌な予感がしたと思いますが、その予感は正しいです。

 

初見の印象はメンヘラ女子の復讐劇

 

家族を亡くしたメンヘラ女子のダニーが恋人のクリスチャンや仲間たちと夏至祭(ミッドサマー)に参加するのですが、ダニーとクリスチャンはいつ破局してもおかしくない末期的状態です。

 

太陽のような肛門のようなホルガ村の門をくぐり、すぐさま変なキノコをキメてトリップする若者たち。もともと怪しいダニーのメンタルがさらに危なくなっていくなか、仲間が次々と消えていきます。

 

夏至祭が行われるホルガ村には客人を生贄にするヤバい風習がありました、というお約束の民俗学ホラー展開。白夜を逆手に取って「明るいのに怖い」ホラー映画に仕立てたのは斬新ですが、基本のストーリーはシンプルです。

 

最終的にダニーはメイ・クイーンに選ばれて村の一員になり、それ以外のメンバーはみんな村の生贄にされてしまいます。

 

最後の生贄に自分を裏切った恋人のクリスチャンを選んだダニーが微笑むところで映画は終了。

 

このラストシーンをハッピーエンドだと思うかバッドエンドだと思うかは見る人次第です。

 

ダニーの復讐が成功して新たな居場所を見つけたとするなら幸せでしょう。しかし、彼女がホルガ村に吸収されたと考えると怖い話です。

 

「カップルで見ると別れる映画」という触れ込みですが、ダニーとクリスチャンのどちらに感情移入するかが分かれ目。

 

クリスチャンはダニーに優しくはなかったかもしれませんが、命をもって償わなければいけないほどの悪人でしょうか。

 

ダニーもすぐに泣き喚くめんどくさい彼女だし、毎回それを慰めなければいけないとしたらそれは介護です。お互いに恋人を道具のように扱ってたのに、クリスチャンだけ責められるのはなんだか腑に落ちません。

 

でもダニーに肩入れするメンヘラ女子は「当然の報いだ」という感想を持つようです。その温度差に彼氏がゾッとするという、現実を巻き込む厄介なホラー映画なんですね(それ以前にデートで見る映画に『ミッドサマー』を選ぶセンスはどうかと思う)。

 

完全に他人事だから私はどちらにも共感しなかったのですが、似たような状況にある人は熱くなってしまうのかもしれません。

 

もともと4時間ある作品を劇場公開用に2時間20分に編集したという事情があり、2時間以上あるのにちょっと説明不足に感じました。

 

初期バージョンに近い3時間のディレクターズ・カット版ではダニーとクリスチャンの喧嘩のシーンや村の儀式のシーンが追加され、モザイクもなくなり、登場人物を理解するうえでもホルガ村滞在記としても、いろいろなところがよりよく見える仕様になっています。

 

監督はこのディレクターズ・カット版が完全版だと考えているそうです。

 

ホドロフスキーとの類似性は?

 


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「『ミッドサマー』はあっさりしたホドロフスキー」というレビューを見かけたのですが、青空!裸体!血!みたいな映像感が『ミッドサマー』っぽいだけで、アリ・アスター監督と比べるとだいぶ人情味があると思います。

 

『サンタ・サングレ』を見た限りではメキシコ版寺山修司といった感じ。表現は気持ち悪いけれども母親への愛憎を描いた切ない作品です。

 

ちなみに『ミッドサマー』の性の儀式はたいへん不評ですが、『サンタ・サングレ』では入れ墨が痛くて泣いちゃう美少年・鼻血を流す全裸のイケメン・女子プロレスラーに弾き飛ばされるイケメンなどが見られるので、ある層には需要がありそうです。

 

一筋縄ではいかないアリ・アスター作品

 

映画において美術や小道具も役者であるとはいえ、アリ・アスター監督の映画は映ってるものすべてがストーリーに関わってくるレベルの作り込みをします。

 

私の頭ではとても拾いきれないし、監督のインタビューや考察班が出動してくれてなんとかわかった感じです(壁画やルーン文字の意味については公式やファンの考察記事がたくさんあるのでそちらを御覧いただきたいと思います)。

 

理解を深めるため、ディレクターズ・カット版を見る前に『ミッドサマー』と共通点が多いという前作『ヘレディタリー/継承』も見ました。似てるも何もミッドサマーがA面でへレディタリーがB面と言ってもいいくらいミッドサマーでした。

 

この映画でも映画という箱庭を徹底的に作り込む姿勢は変わらず。ミッドサマーとへレディタリーを両方見るとアリ・アスター監督の独自性がわかると思います。こういうアプローチで映画を作る人は見たことがないです。

 

『へレディタリー』は監督の家族に関するトラウマを元にした映画で、『ミッドサマー』は監督の失恋体験を元にした映画だそうです。

 

なるほど、男女を逆にしてみると自分を裏切った彼女に復讐する監督の怨念の物語なのかもしれません。

 

蛭子能収みたいですがド直球な蛭子さんと違い、彼氏が彼女に復讐する話だと共感を得にくいから主人公を女性に置き換えた……と考えるとその計算高さが怖いです。映画を見たリア充を爆発させようとする監督の呪いも怖い。

 

長編2作目ですでに巨匠扱いされているアリ・アスター監督ですが、苦手な人はほんとうに苦手な監督でもあります。

 

恋人や家族といった、みんなが大切に思うものに唾を吐いて踏みつけるようことをする監督なので愛を信じる善良な人が見ると「胸糞が悪い」という感想を抱くのでしょう。

 

それは見る目がないのはなく健全な世界線で生きてきた証なのでこれからも清く正しく生きていってほしいです。

 

ここまでダニーとクリスチャンの物語を中心にお話してきましたが、『ミッドサマー』には他にも見どころが数多くあります。

 

むしろそっちのほうが面白いかもしれないのでそこにも触れていきたいと思います。

 

「世界一の美少年」が姥捨て儀式で崖からダイブする老人役に!

 


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成田祐輔さんの持ちネタ「老人は切腹せよ」、『楢山節考』の“姥捨て山”をホルガ村では「アッテストゥパン」といいます。72歳を迎えた村人が崖から飛び降りて自ら人生の幕を引く儀式です。

 

今回アッテストゥパンで虹の橋を渡るおじいちゃんを演じたのは、『ベニスに死す』で有名な世界一の美少年ビョルン・アンドレセン。

 

『ベニスに死す』が大好きなアリ・アスター監督は「世界一ハンサムだから」という理由でビョルンにオファーしたそうです。

 

ところが監督はその世界一ハンサムな顔面をハンマーで殴りつけて破壊するという暴挙に出ます。1発目はアップで映すわ、しつこく3回くらい殴るわ、悪趣味極まりないシーンです。

 

「美しいから燃やした」という三島由紀夫の『金閣寺』的な発想なのか、観客への嫌がらせなのか。どっちにしてもサイコです。

 

こういうことするから、自分セラピー映画を作るにしても悪意がありすぎるとか言われちゃうんでしょうね。私は嫌いじゃないけど。

 

絶世の美少年に生まれたらさぞ幸せな人生だろうと我々のように美しくない者は想像すしますが、ビョルン本人は苦労が絶えず、自分の顔が好きではないとか。

 

アリ・アスター監督は外道だけど、この映画のおかげで美少年のイメージと決別できて清々したかもしれません。

 

思いのほかクズだったクリスチャン

 

クリスチャンに同情的だった諸兄に悲しいお知らせをしなくてはなりません。

 

追加シーンでよくいるクズだと思われていたクリスチャンが、実はかなりのクズだったことが判明します。

 

ダニーのお守りにうんざりしているのはわかりますが、友達まで裏切っていたとなると話が違います。

 

クリスチャンはホルガ村を調査していたジョシュの研究を盗んだだけでなく、ジョシュが自分の研究を盗んだとダニーに嘘をついていたのでした。

 

映画がダニー視点で描かれていることを差し引いても救いようがない馬鹿です。

 

ヤリ目のマークとクリスチャンはホルガ村から脱出できてもクリスタルレイクあたりで乱痴気騒ぎしてジェイソンに見つかるのが関の山でしょう。

 

そんな良いところがないクリスチャンではありますが、俳優さんがストイックに役に取り組んでいたらしいことを付け加えておきます。

 

「女性に対する性的暴力のシーンには(被害者である女性が)全裸のものが多く、彼女たちはそう演じてこなくてはならなかった。(このシーンは)それをひっくり返すチャンスだと思った。観客にとって、このキャラクター(クリスチャン)が可能な限り弱く、屈辱的な状態で出てくるのは重要だと思った」

『ミッドサマー』“性の儀式“のウラ話!撮影期間は2週間、精神崩壊ギリギリの舞台裏【ネタバレ】 - フロントロウ -海外セレブ&海外カルチャー情報を発信

 

クリスチャンは嫌いになってもジャック・レイナーは嫌いにならないでください。

 

みんなサイモンのこと忘れてないか

 

クリスチャンが可哀想だと言うけれど、ほんとうに可哀想なのは村から逃げようとしただけで活け造りにされたサイモンでしょう。

 

背中から捌いて肋骨を外し、両方の肺を羽のように広げるヴァイキング流の処刑法で「血の鷲」というそうです。サイモンの場合はご丁寧に目玉をくり抜いて花まで活けてありました。ドラマ版のハンニバルくらい人体加工に手間がかかってそうです。

 

私は子どもの頃から魔女狩りの漫画などを読んでいたので「鉄の処女」やら「ガミガミ女のくつわ」やらは知っていましたが、ヴァイキングの文化までは知らなかったので新鮮でした。

 

サイモンには悪いけど超カッコいい。お家に飾りたい。

 

模範的ホルガ村民ペレ

 

メンヘラなダニーにも優しく、唯一まともな男性に見えたペレ。しかし映画を最後まで見ると一番ヤバいのがペレだったという絶望的な事実を知ることになります。

 

ホルガ村出身のペレがダニー達を夏至祭に誘った時から「ホルガ村補完計画」は始まっていました。

 

ホルガ村の人々は人間というより昆虫みたいです。

 

スズメバチの群れで卵を産むのは女王だけで、ほかは手足となって動く働き蜂。

 

その働き蜂に守られている女王ですら、卵を産めなくなれば巣から放り出されます。そこに「個」という概念はなく、群れが一つの生き物のよう動きます。

 

ホルガ村にも「個」は存在しません。交配に至るまですべてが村に管理されています。近親相姦によって作られた奇形の賢者ルビンはその最たるものです。

 

村人はみな優しく、仲間が悲しんでいれば一緒に泣いてくれます。家族を失い、恋人に見捨てられそうで情緒不安定なダニーがホルガ村に心酔していっても不思議はありません。やっと自分の居場所を見つけられたのですから。

 

でもすべては村を存続するための計画であり、ダニーは利用されただけなのかもしれない……と思うと恐ろしく残酷で悲しい話です。

 

ペレが「自分の両親は炎に包まれて死んだ」とダニーに打ち明けるシーンがありますが、火事で死んだ、とは言っていないんですね。ラストの小屋のシーンを見ると火を使う儀式で亡くなったようにも考えられます。

 

両親の死についてペレは、悲しかったけど仲間がいるから大丈夫だと受け止めています。もう骨の髄までホルガです。

 

友達が生贄になることも、妹のマヤがクリスチャンを誘惑してダニーとの仲を引き裂くことも、ペレは知ってたんですよね……。

 

冒頭のタペストリーにはペレがダニー達をホルガ村へ連れてくる様子が描かれています。新しい血を連れてくることは彼に課せられたミッションだったのでしょう。

 

ダニーに向けた優しい微笑みもホルガ村の人たちのあの笑顔だったんだな、と思うとやるせない気持ちになります。でもペレ最高。

 

森のくまさんと八つ墓村の菊人形

 

スローテンポな映画だと思っていましたが、性の儀式からクライマックスにかけて狂気が加速していきます。

 

私はお酒も葉っぱもやったことがないからわからないんですけど、悪酔いした時のような、葉っぱでブリブリになってるような感じ、とでもいうのでしょうか。

 

食べ物や花がグニャグニャするシーンはシュヴァンクマイエルの『不思議の国のアリス』の動く肉みたいで気色悪かった。

 

性の儀式もシュールを通り越してギャグですが、その後に八つ墓村の菊人形みたいになったダニーやくまになったクリスチャンが出てきてどこを突っ込めばいいのかわからなくなりました。エンディング曲は個人的に「森のくまさん」でいいと思います。

 

好き嫌いは置いといて、一回くらい見ておくといい映画

 

アリ・アスター監督には今後の映画界を牽引していくであろう期待がかけられてるので、トレンドを知るうえでも見て損はないと思います。

 

監督は日本映画もよく見ているそうで、ミッドサマーにも楢山節考の姥捨て山や輪廻転生といった東洋的な要素が感じられる描写があります。

 

日本にも村を訪れた客人を手にかけて金品を奪う「異人殺し」の伝承が多くあります(実際にあったかどうかはともかく、そんなことがあってもおかしくないと考えられていることが怖さの肝です)。

 

ミッドサマー的な作品として石原慎太郎の『秘祭』を日本のフェスティバル・ホラーとして推したいです。

 

エロゲーみたいな展開だという指摘もありますが、カルト集団が出てきた大体いかがわしい展開になります。『ダ・ヴィンチ・コード』だって薀蓄を抜いたらそんなもんです。マニアックな人には刺さる作品みたいで古本は高騰してるので、図書館を利用してみてください。

 

 

リア充を爆発させたいアリ・アスター監督にはフェイクドキュメンタリー「Q」の『フィルム・インフェルノ』を見てほしいです。監督みたいなひねくれた感性の人は絶対好きだと思います。

 


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【ハズレ回なし!全員キャラ濃い!】沼る心霊系YouTuber「ゾゾゾ」の魅力を語りたい

 

ゾゾゾはいまさら紹介するまでもないほど有名な心霊スポット巡りの最大手ですが、ホラーが嫌いだからという理由で敬遠している人がいるとしたら勿体ない。先入観を捨ててぜひ見てほしい。


自分がYou Tuberの動画を見て感動する日が来るとは思いませんでした。

 

素人の一芸大会と芸能人の副業の場だったYou Tubeに、テレビ番組や映画に引けを取らない作品を作るYouTuberがいるなんて知ったら興奮しないではいられない。

 

笑いあり、恐怖あり。ポップなホラーチャンネル

 


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ゾゾゾはオカルトマニアの皆口くんが心霊版「食べログ」のようなポータルサイトを作るべく、「会社で暇そうにしていた」上司の落合さんを誘って始めたチャンネルです。

 

ホラーエンタメチャンネルと銘打っているのにメインパーソナリティの落合さんは心霊スポットにもホラーにもまるで興味なし。毎回散歩に行きたがらない犬を引っ張っていくような調子で始まります。

 

大金を投入しているチャンネルはいくらもありますが、一つの動画にかける手間が尋常じゃない。

 

企画を考える→撮影許可を取る→メンバーを集めて現地に行く→安全を確保しながら撮影する(かなりの肉体労働)だけで大変なのに、「素人の喋りは面白くない」ので無駄な場面は極限までカットし、15分~20分程度にまとめる。出来上がった動画のテンポが悪いと感じれば何度も編集し直すそうです。

 

それだけの労力をかけている甲斐あって視聴者からは「ゾゾゾを見ると他のYouTuberの動画は見られなくなる」と言われるほどです。

 

たとえばこの動画。

 


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1日で心霊スポットを20箇所回って1本の動画にするなんてもったいないオバケ。

 

落合さんも何本かに分けて投稿すると思っていたようで、皆口くんから1本にすると聞いて驚いていました。

 

いまだにYouTuberが楽して稼いでると思っている人も少なくないようですが、ゾゾゾの動画制作はどう考えても楽じゃない。

 

オープニングトーク(心霊スポットの説明)

探索・考察・30分間の1人実証実験


レビュー(ゾゾゾポイント発表)

 

が動画の基本的な流れです。回を重ねるうちに冒頭に動画のハイライトシーン、最後に次回予告が入るようになりました。

 

最後の「ゾゾゾポイント」が食べログの星に相当。

5段階評価で「ゾ」が1ポイント、「ソ」が0.5ポイント。恐怖度が5ポイントだったら「ゾゾゾゾゾ」、3.5ポイントだったら「ゾゾゾ・ソ」になります。

 

誰が見てもわかる親切設計。テンポもよくてストレスフリー。

 

ゾゾゾは倍速で動画を視聴しない数少ないチャンネルです。怪奇現象が起きた瞬間を確認するために巻き戻すことがあるくらい。

 

(2次元ヲタで実写に興味がない妹が唯一見ている実写のチャンネルでもあります。おすすめしたのは私ですが、いまでは妹のほうが熱心な視聴者。本も全部揃えたそうです)。

 


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見事ゾゾゾポイント5を獲得した地元のロシア村。

 

うちは頻繁に家族で出かけるような家ではありませんでしたが、開園間もない頃のロシア村に行ったことがあります。

 

マンモスの剥製やマトリョーシカの絵付け体験ができるコーナーがあったような記憶があります。何より鮮明に覚えているのは、当時TVをつけると洗脳されるくらいの勢いでロシア村のCMが流れていたことです(動画サイトを探しても見つからないのが逆に怖い)。

 

閉園後は廃墟となり、現存しているのは教会とホテルだけみたいです。

 

ひときわ目立つ教会は世界遺産のウスペンスキー寺院(違ったらごめんね)のレプリカで、ディスニーランドで言うところのシンデレラ城的なシンボルマークです。

 

教会を見た長尾くんが「ロシア正教ですね」と言っていましたが、私は幼すぎて東方正教会とローマカトリックの違いがわからず、インドのタージマハルみたいなかわいいデザインだなー(鼻ホジ)と思っただけでした。なぜ西洋の教会があんなに尖っているのか疑問を持つような賢い子どもでなかったのが残念です。

 

不人気だったロシア村が心霊スポットとしてブレイクするとは思ってもいませんでした。改めて見ると癖の強いデザインのおかげで唯一無二の廃墟に仕上がっておりますね。

 

ゾゾゾのメンバーと個人別おすすめ動画

 

「心霊版水曜どうでしょう」と言われるゾゾゾの魅力は個性的なメンバーに拠るところも大きいです(でも皆口くん・落合さんはどうでしょう見たことないらしい)。

 

落合さん(メインパーソナリティ)

ゾゾゾのマスコット的存在。とにかく可愛いです。

 

三十過ぎの男性に「可愛い」は失礼かもしれませんが、見た目も可愛いし仕草も可愛いし発言も可愛い。ゾゾゾの視聴者は落合さんを可愛いと思ってるよ絶対に。ずっと見ているとおっさんの魂が宿った大島優子に見えてきます。

 

本業は経営者らしいですが、動画上でそれがわかるのは金払いがいいことくらい。ホラー番組のメインパーソナリティなのに好きなものはホラーじゃなくてお酒。あえて残念なキャラに徹しているのか素なのかわからないところが落合さんの魅力です。

 

皆口くんから(ゾゾゾの撮影で)どこへ行きたいかと聞かれて「ハワイ!」と元気いっぱいに答える落合さんにバス旅の蛭子さんを見ました。

 


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落合さんのおすすめ回として神回の岳集落を選びました。ホラーゲーム「SIREN」のモデルになった廃村です。SERENらしいSF展開が熱い。

 

落合さんは自分の可愛さを自覚してると思う。じゃなきゃあんなピンクのカーディガン着ないだろ。

 

長尾くん/しょうちゃん(スペシャルゲスト)

 

いかつい見た目と穏やかな話し方のギャップで女性ファンが多いゾゾゾのファッションリーダー長尾くん。皆口くんの同級生で廃墟好きだったことから撮影に参加することになったようです。

 

堂本剛にトトロを足したような風貌で、初めて見た時はピアスの穴のでかさに驚きました。

 

ずっとピアスの穴がでかい人は苦手だと思っていたのですが、長尾くんには似合ってるからいいや。男性はさわやかさが大事とか言うけど結局人によるんだなという希望のない話でした。

 

初登場はファーストシーズン第3回目です。なんの説明もなく唐突に長尾くんからはじまるのはフックが効いてる。

 


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以降レギュラー出演しているのにずっとスペシャルゲスト扱いなのが笑えます。皆口くんの「スペシャルゲストの長尾くんです。パチパチパチ~」が登場の合図。

 

冷静さと幅広い知識、鋭い考察が長尾くんの持ち味。言葉の選び方が丁寧で安心感があります。

 

初対面では警戒していた落合さんとも打ち解けて「しょうちゃん」と呼ばれるようになり、いまではゾゾゾに欠かせないメンバーとなっています(ちなみに長尾くんのフルネームは長尾将三郎さんだそうです。渋い)。

 


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おすすめ回は1人で実証実験を行ったジェイソン村。雨の降るなか1人で撮影する長尾くんの勇姿をごらんください。

 

動画では肝が据わってるように見えるのですが、長尾くんの場合は顔に出にくいタイプなだけで怖いそうです。たまに指示されても「嫌です」と言って行かない時があって可愛い。

 

心霊スポットとあわせて長尾くんの個性的なファッションにも注目です。お洒落を通り越して自分の世界が確立されてる。

 

サブチャンで腕に「危ない1号」のタトゥーがあるのを確認して密かにテンションが上りました。悪趣味ブーム(90代)を牽引した伝説アングラ雑誌の名前ではありませんか。サブカルにも精通してるのか長尾くん。素敵。

 

皆口くん(ディレクター)

 

落合さんによれば「ゾゾゾはすべて皆口くんの意向で動いている」。

長尾くん曰く「天才」。

 

いままで登場した商才のあるYouTuberとはベクトルの違う芸術家、職人タイプの天才です。「YouTuber」じゃなくて「映像作家」と紹介されることからも明らか。

 

本業はWEBデザイナーで映像作品は経験がなかったそうですが、初期から素人とは思えないクオリティの動画を作っていました。センスの塊。

 

「こだわりが強い」「少々気難しさもある」と落合さんが言うように納得するまで編集をやり直す完璧主義。撮影に対するストイックさから「撮れ高の鬼」と呼ばれることも。

 

ホラーに限らず何を撮っても皆口ワールドになるのがすごい。短編が得意なのかと思ったら長編も面白い。めったにカメラに映りませんが、彼がゾゾゾの核であることは明白。声と話し方に特徴があるので映ってなくても演者の個性に負けない存在感があります。

 

メインチャンネの「ゾゾゾ」、サブチャンネル「ゾゾゾの裏面」「家賃の安い部屋」のほか、「フェイクドキュメンタリー『Q』」ではホラー作品を多数手掛ける寺内康太郎監督とフェイクドキュメンタリー番組を制作しています。

 


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皆口くんのおすすめ回は沖縄スペシャル。

 

巨大廃ホテル「レキオリゾート」でもっとも危険な最上階を皆口くんが単独レポートします。

 

危険な場所ではメンバーの安全を第一に考え、自分が率先して行く皆口くん。彼が言い出しっぺだからそれでいいんですけど、ヒーローっぽく見えてちょっと感動してしまうのはなぜなんだ。

 

皆口くんの姿がカメラに映る貴重な回でもあります。さすがデザイナーだけあってお洒落さん。

 

↓めったに動画外で話すことがない皆口くんの貴重なインタビュー記事です。憎たらしいほど才気煥発。

 

shueisha.online

 

まーくん/内田さん(スタッフ/演出補)

 

ホラーに欠かせない愛すべきポンコツ。

 

しっかり者しかいない世界線でホラー映画は成立しないように、ホラー番組においてもトリッキーな動きをするキャラは外せません。

 

まーくんの初登場はファーストシーズン第2回。

 

真面目そうな見た目に反して7回も遅刻してきて落合さんに注意されたり、心霊スポットの情報を調べ忘れて即興で作り話をすることになったり(グダグダ)、長尾くんとは別な意味でギャップがあるまーくん。

 

全然似ていない稲川淳二のものまね、片耳だけの変なピアスなど、ボケの情報過多でもはやどこから突っ込んでいいのかわからない。

 

これまでYouTuberになった途端に調子こいて奇抜な格好をしたがる連中を心底軽蔑しておりましたが、長尾くんと同様「いいや」と思えるのはまーくんのキャラ得です。

 


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おすすめ回は内田さん家。

 

事故物件でもなんでもないまーくんの自宅を勝手に心霊スポット扱いして探索する落合さんと皆口くん。

 

本物の心霊スポットさながら真剣に検証する落合さん。いつもより熱が入っているような……。

 

全力のおふざけが視聴者にも好評だったようで、内田さん家回はなんと3回もあります(書籍にも載ってる気合の入れよう)。

 

内装を見るのも視聴者にとっての楽しみになっており、私はSlipknotのJoeyのマスクを見つけて「彼は素晴らしいドラマーだったよね」と懐かしく思いました。

 

山本さん(スタッフ/照明)

 

落合さんに負けず劣らずベビーフェイスな山本さん。初登場はセカンドシーズン第5回。

 

メンバーの中では落ち着いていて落合さんと一番話が合うそうです。

 

山本さんの怖い話はまーくんと違って真面目に怖い。視聴者目線で見てもしっかりしているイメージがあります。

 


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山本さんのおすすめ回は2021年の夏の特別編。

 

視聴者から投稿された全国のゾゾゾスポットをメンバーが単独で調査する企画で、山本さんは「ストリートビューに女性の顔が映っている」という山刀伐峠の電話ボックスの調査に向かいます。

 

たけるくん(応援スタッフ)

 

ファーストシーズン第13回目、お祓いに行くまーくんの代役で登場。「幽霊を見てみたい」という願望があるそうです。

 

落合さんからまーくんよりも信頼できると評価されていました。

 


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たけるくんのおすすめ回は初登場の明野劇場とホテルセリーヌ。お祓いで不在だったまーくん、ホテルセリーヌの回では引っ越し準備のためお休みでした。

 

投稿頻度は低めだけど

 


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HIKAKINをはじめ、狂ったように動画を乱発するのが一般的なYouTuberの活動スタイルですが、ゾゾゾは月イチどころか半年ぐらい間隔が空いたりします。

 

大抵のYouTuberは新しい商品やサービスを紹介するため動画の賞味期限が短く、自転車操業的な活動になりがちなのはYou Tubeの運営に無知な私でも想像がつきます。

 

鮮度が落ちた過去動画は再生されなくなるので余裕がないわけですが、心霊スポットと呼ばれる場所はもともと廃墟(過去の遺物)なので鮮度にこだわる必要はないようです(後に封鎖されたり撤去された場合は逆に貴重な記録映像になりそうです)。

 

ゾゾゾでは海外ドラマのように何回かをまとめてワンシーズンとカウントします。

 

たとえば2018年から2019年にかけて投稿されたファースト・シーズンは24回。第1回目の石神公園ではじまり、第23、24回は信州観光ホテル(前後編)で終わるという具合です。そのほかに特別編が投稿されることもあります。

 

ゾゾゾの動画はいずれも100万回以上再生されているのですが、おすすめに出てきた動画を見てゾゾゾが気になり、第1回目から見始める私のような視聴者がだいぶホイホイされてるんでしょう。

 

だって誰がこの動画を作ったのかとか、どうやってメンバーが知り合ったのか知りたくなるんだもん。掌で転がされてるのがわかっても悪い気はしません。

 

メインがお休みの時はサブチャンネルがあるよ!

 

現在ゾゾゾのメインチャンネルににリンクされているサブチャンネルは4つ。

 

家賃の安い部屋

 


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毎週金曜日に更新される長尾くんメインの「家賃の安い部屋」は視聴者が投稿した心霊写真を紹介するチャンネルです。

 

長尾くんの部屋の家賃が破格に安い(事故物件くさい)ことに目をつけた皆口くんが長尾くんの部屋で撮影しようと思いついたことから始まりました。

 

長尾くんと皆口くんのセンスが合わさってサブチャンネルとは思えない完成度の高さ。書籍化もされるほどの人気です。

 

心霊とは関係なくどんどんカオスになっていく部屋の様子や長尾くんの暮らしぶりも見どころの一つ。

 

ゾゾゾの裏面

 


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オフトークやスピンオフ回を集めたチャンネルです。ときどきメインチャンネルを凌ぐ神回があるのでこちらも必見です。

 

「マドレーヌの冒険」は不思議なお話。メインパーソナリティの落合さんを裏方にしてスタッフの三輪田くんを主役にするという大胆な試みで、いつものゾゾゾとは違うハイセンスな作品になっています。「説明しすぎない」「あえて謎を残す」皆口くんの作風がより活かされている回でした。

 

フェイクドュメンタリー「Q」

 


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コアなホラーファン向けのフェイクドキュメンタリー番組。「放送禁止」や「コワすぎ」が好きなら刺さること間違いなし。

 

平均20万再生はすごい数字ですがクオリティの高さを考えるともっと再生されてほしい。ゾゾゾとの差は大衆向けかそうでないかの違いだけだと思います。

 

2023年1月1日の0時よりシーズン2がプレミア配信されるのでお見逃しなく。

 

落合陽平の10万ボルトTV

 


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可愛い落合さんを愛でるチャンネル。食レポしたり歌ったり……YouTuberしてる落合さんを見ることができます。

 

おすすめはお化け屋敷回。心霊スポット以上に怖がる落合さんが笑えます。

 

裏面の「マドレーヌの冒険」でメインに抜擢された三輪田くんは10万ボルトTVのスタッフです。編集は栗田さん。皆口くんの編集とはまた違う、いい意味でのYouTuberらしさがあります。

 

2023年2月より「ゾゾゾ」サードシーズンの配信がはじまります

 

 

公式から待望のサードシーズンの告知がありました。ちょっとずつ情報を小出しにしていく宣伝の仕方もうまいよね。見るしかない。

心を抉られる自己啓発本『馬鹿ブス貧乏で生きるしかないあなたに愛をこめて書いたので読んでください』【感想】

もっさりした女子のイラストに味がある表紙

 

アラ古希の学者先生による、低スペック女子のための人生指南書。


馬鹿ブス貧乏がパワーワードすぎて励まされているのかdisられているのかわからなくなりますが、ジェーン・スーさんの推薦文いわく「自己憐憫に唾棄したい人向け」。


女性に夢を見させて金儲けしようという魂胆がないぶん誠実です。

 

ここでいう馬鹿ブス貧乏は「一を聞いて一を知るのがやっとで努力しないとゴミになる脳みそしかなく、女優やモデルになれる美貌もなく、働かずに生きていける金もない」女性のこと。


世の中の97%の女性を指します。


「普通」や「平凡」といったほうが妥当ですが、一億総中流時代は過去の話。


ごくわずかな勝ち組を除く大多数が負け組となったいま、一億総馬鹿ブス貧乏に降格されたといってもいいくらいです。


身分制度に代わる能力主義は学歴・業績を基準とした新たな格差を生み、貧困は努力不足で切り捨てられ、新たな地獄が誕生しました。

 

ガチ底辺から見れば著者の藤森さんは馬鹿でもブスでも貧乏でもないのですが、「他人があまり信用できない」うえに反出生主義なあたり、失礼ながらだいぶこじらせててこっち寄りな気がしました。


馬鹿と紙一重の天才と本物の馬鹿しか生き残れないような世の中を真面目な人が生き抜くのは大変です。

 

藤森さんは元祖リバータリアンでフェミニストらしいので、そのへんも頭の隅に置いておくといいかもしれません。


リバタリアンと聞いて「ゾンビ映画のタイトルみたいだな、そりゃバタリアンか」と思った馬鹿ブス貧乏エリートは私です。


リバタリアニズムとは、自由至上主義。個人の自由を侵害すること以外は自由という思想です。


人助けするかどうかも自由なので、国が税金を使って弱者を救済すべきとも考えない。

 

したがって中絶やLGBTは肯定しても、オバマケアには反対だったりします。

 

「弱者も船に乗せてみんなで溺れようぜ」というリベラリズムとは異なり、弱肉強食のハードボイルドな世界観。生殺与奪の権を他人に握らせてはいけないのです。

 

フェミニストはいまさら説明するまでもないですが、女性の権利を尊重し、性差別をなくそうと考える人たちのことです。


現代女性はフェミニズム運動の恩恵を受けていることを知って先人たちに感謝せよと藤森さんは言っています。


女性の権利だけ主張するうざいフェミニストのせいでフェミニストの評判はすこぶる悪いのですが、本来のフェミニズムは男女平等を目指すものです。


この本にも「とりあえず男性を見たら性犯罪者と思え」などと過激なことが書かれていいますが、一方でえらてんさんの『しょぼ婚のすすめ』が絶賛されていたりします。


本書を企画した出版プロデューサーの尾崎全紀さんはN国の人なのですが、N国の宿敵えらてんさんの本でも忖度せずに推すところはフェアだと思いました。


男性社会の恩恵を受けていない若い世代にはただの男性叩きに見えるのがフェミのめんどうくさいところ。

 

私のように人類と個人という大雑把な括りで考えるような人間がフェミニストについてなんか言うもお門違いな気がするのですが、戦うべきは男性に生まれただだけで偉いと勘違いしているような高齢男性(70歳以上くらいか)、権力者のおっさんと結託して女性差別に加担してきた女性、男児だけを優遇する古い世代の親や教育などであり、若い男性はむしろ馬鹿ブス貧乏側でしょうから生きづらい男性にもおすすめしたい本です。

 

たまにスピってる話やNintendoじゃないほうのDSの話も出てくるので素直すぎる人はリテラシーというものを身に着けてから読んだほうがいいかもしれません。
副島隆彦と聞いて蕁麻疹が出る人は要注意。

 

この本の前書きも長いですが私の前置きもやたら長くなってしまいました。

 

藤森さんは馬鹿ブス貧乏ながら社会で悪戦苦闘してきた女性であり、母親や親戚のおばさん以上に実践的なアドバイスをしてくれる先輩です。

 

ネット用語が飛び交う文章はとても70歳近い人が書いたとは思えない若々しさで、西成の鼻毛のおばちゃん並みにパワフル。

 

内容は青年期(37歳まで)・中年期(65歳まで)・老年期(死ぬまで)の3シーズンに分かれており、それぞれの頭に「苦闘」「過労消耗」「匍匐前進」という、これまた夢のない文字が付いています。

 

青年期はスペックの低さゆえに苦しむことが多いけれど、中年期はハイスペ美女でもつらい時期であるといい、年をとるほど失うものがない馬鹿ブス貧乏のほうが楽になるそうです。ほんとうに身も蓋もないですが希望はある。

 

とくに若さと美しさで評価されてきたことを自分の実力と勘違いしてきた女性にとって、更年期は辛いものになるようです(たとえばゆ◯りぬさんの更年期は壮絶なものになるのかもしれないのですね。しらんけど)。

 

だからといって馬鹿ブス貧乏は身の程をわきまえて大人しく暮らせ、という話にはならない。


人類の女性は生殖能力のあるうちは毎年子供を産んで家事と育児に明け暮れていました。現代人のようにぬるい生活をしているとエネルギーを持て余して無駄に長生きしてしまう。だから老年期に入る前に電池は使い切れ、出し惜しみするな、とすすめておられます。

 

あり余るエネルギーには性欲も含まれています。

 

淑女の皆様におかれましては無縁なことだと思われるかもしれませんが「真面目に生きてきた認知症の高齢女性がイケメン介護士を見て下半身を丸出しにする」という恐ろしいエピソードも出てくるので過信してはいけません。

 

下半身丸出しにしないまでもロマンス詐欺に合わないくらいには発散させておいたほうがいいでしょう。

 

実際の方法についてはぜひ本を読んで各自で考えていただきたいと思います。芸能人の不倫で大騒ぎしてる現状を見るかぎりなかなか受け入れられない提案かもしれないですが、ユニークな考え方です。

 

個人的にこの先、性愛も含めて人間同士の交流はどんどん仮想現実化していくのではないかと思ったりもします。ファンタスティック・プラネットの巨人みたいに乳首を出しながら瞑想に耽る新人類が生まれるかもしれません。

 

全体の感想としては「配られたカードが悪くても、できることはやって、悔いのないように生きよう」という話のように感じられました。それでも駄目だったら仕方がない。たとえ悪あがきでもあがき続けることが大事。

 

読書家の藤森さんおすすめのブックガイドでもあるので、迷うことがあったら読んでみるといいと思います。巻末の紹介文献リストがとても便利。

 

何かにつけて「馬鹿ブス貧乏」と言われるのが辛い場合は、まったく別の方向性の本を併読して中和するといいかもしれません。私はちょうどハイスペ女子の宇野千代の本を読んでいたので、美女も美女で面倒な事が多いと思える冷静さを持って読むことができました。

 

自分視点の話ばかりで申し訳ないですが、最後に面白かったところを引用しておきます。

 

まれに女性が、大抜擢され社長に選ばれたりする。それは、その企業が倒産しかけで、男にとって社長になっても旨味がないときだ。

 

→ドムドムバーガーの社長

 

大学でも、女性が学長に選ばれる場合というのは、女子短大や女子大以外では、その大学内部に大きな問題があり、男はそのような問題解決の責任を負いたくないときだ。状況が良くなれば、また男がしゃしゃり出てくる。

 

→林真理子理事長

 

ほんまや。勉強になりました。

 

かぎ針編みで漫画のパロディをやってみた【鬼滅】【血の轍】

 

まずは『鬼滅の刃』の序盤の見どころ、炭治郎が狭霧山の岩を斬るシーンを実弥ちゃんで再現してみようと思います。

 

 

おや、なんだか様子がおかしいですね。

 

 

岩に化けていたまんじゅろうさんでした~!!!

この状態で部屋に置いていたら家族もまんじゅろうさんだとは気づかず狭霧山の岩だと思っていたので、なかなか上手く化けられていたようです。

セリアで買った毛糸(なないろ彩色中細の36番)がものすごく岩っぽい色だったことから思いつきました。

しめ縄についている紙垂にはちゃんとした作り方があるようですがフェルトです。めんどくさいから。

 

次は毒親マンガ『血の轍』から、ママが息子の静ちゃんに毎朝「肉まんとあんまんどっちにする?」と朝ごはんを決めさせるシーンです。

 

不自然にデカい肉まん

選択の自由があるようで、肉まんとあんまんしか選べないという意味不明な制約がついている、ママの暴君ぶりがわかるエピソード。

肉まんを選ぶ確率が高いのは「毒親の自分を憎まないでほしい」→肉まん(憎まん)と言わせようとしているのかと思いましたが、たぶんそんなダジャレみたいな理由じゃないと思います。

 

 

どこかで見たような展開ですね。

 

肉まんに化けていたまんじゅろうさんでした~!!!!

肉まんはさすがにデカすぎて怪しさ満点でしたが、おまんじゅうのまんじゅろうさんににはハマり役で美味しそうです。

振り返ればまんじゅろうシリーズ、身近な人には好評だったので、またネタが思いついたらやるかもしれません。

 

『血の轍』がしんどい


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ここからちょっと元ネタの『血の轍』の話をします(閲覧注意)。

 

過保護な毒親の漫画だと聞いて読んでみたのですが、話の通じなさ具合からいってキ印や電波系に格上げしたほうが良さそうなママ。

身体的な虐待をしているわけではないので「ちょっと過保護だけどいいお母さん」に見えるのが厄介です。

無神経な親戚やステルス状態のパパも含め、ママの周りに味方がいないという事情を差し引いても息子への執着が気持ち悪すぎる。

ブロガーのちいめろさんが息子にホストのような格好をさせて「児童虐待」だと批判されたことがありましたが、あれが息子を恋人扱いする母親を皮肉ってるのだとしたら大した役者だと思うほど、愛情を隠れ蓑にして息子の彼女面する母親はおぞましい。

ママが美魔女に描かれてて母親っぽく見えないのが救いだと思ったら、これも息子フィルターがかかって美化されている状態らしく、現実のママがどんな姿なのか想像すると地獄です。

そんな状態で育てられた息子が『君に届け』の風早くんみたいな爽やかヒーローに育つはずもなく、当然のごとく陰キャなのですが、なぜか美少女に惚れられるという漫画的奇跡が起こります。天から蜘蛛の糸が降りてきたと思ったのに、それを無残に切るのもやっぱりママ。

静ちゃんの世界には神も仏もなく、ママという絶対的な支配者がいるだけ。

もうサブタイトルが『家畜人ヤプー』でも驚かない。

ヤプーの肉体改造にも等しい酷い仕打ちの数々(精神的な)を見て、ママが望んでいるのは息子じゃなくて従順な家畜なんじゃないのか、と疑いたくなりました。

私に息子はいないのでよくわからなかったのですが、母親が息子のトラウマになって女性嫌悪に陥ったり、男女間の溝ができるのだとしたら、なんて罪深いことだろうと思います。

健全に成長できなかった少年が、歳を重ねただけで魅力的な大人の男性になるわけがないのに、年頃の女の子達には相手にされなかったりで、そりゃ性癖も歪むでしょう。

女性向けの本に「男は女に娼婦と母親の両方を求めるから勝手だ」というようなことが書かれていて、そのときは納得したのですが、女性も男性にヤプーと王子様の両方を求めているなら勝手じゃないかと思います。

完全なフィクションならまだしも『血の轍』は作者の押見さんの自伝的漫画らしいです。この世の中にどれだけの静ちゃんがいるのだろうと思うと……しんどい。

回を追うごとに暗くなっていくばかりで、ママが元凶だと思っていたらそのママも毒親に苦しめられていたらしいことがわかったり、静ちゃんも狂ってるのかまともなのかわからないような状態になっていって、もうお腹いっぱいです。

私は静ちゃんを通じて母娘問題とは違う毒親の闇を見ましたが、息子を持つお母さんが読むとまた違った感想になるのかもしれません。

もし私に息子がいたら、優しくて母親想いのいい子じゃなくていい。

ジョージ・クルーニーみたいにモテまくって楽しい人生を送ってほしい(小並感)。

 

『クトゥルフの呼び声』を読んだら名状しがたい冒涜的な着ぐるみができた【SAN値直葬】

親方のクトゥルフよりデカいダゴン

恐ろしい夢を見た私は、編み物よって邪神クトゥルフとダゴンを召喚しました。

魚っぽいのはハンギョドンじゃないです。ダゴンです(言われる前に言っとこ)。

目玉の赤いビーズ以外は背景も含めて100均のものです。ついに深海の背景を使う時が来た。思った以上にルルイエみが出て満足です。

 

クトゥルフ様の正体は実弥ちゃんでした。

頭はフード状になっていて、脱がせると顔が見えます。この姿だとSAN値が回復しちゃうね。たしか『ハウルの動く城』にこんなのいた。

 

小さいけど羽根もあります。飛行能力なさそうですけど。

 

製作中はダルマみたいでした。これはこれで好き。

 

本家クトゥルフ様とのツーショット。

クトゥルフに見えるかどうか心配だったのですが、意外とちゃんとクトゥルフしてました。

『クトゥルフの呼び声』を読んでみた感想

クトゥルフ神話の概要は知っていても原作をまともに読んだことがなかったので、評判の良い田辺剛さんのコミカライズ版を読んでみました。

クトゥルフ神話において邪神の姿を見た者は発狂したり死んだりすることになっているため、見ることができないクトゥルフの全身像が描かれていることに感動しました。その時点でアイドルの写真集に等しいです。尊い。

(同じく最近のクトゥルフ神話もので評判の良い『The Shore』もクトゥルフやダゴンの姿がたっぷり見られるうえ、ダゴンのお尻も見られる素晴らしいゲームです)。

 


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時代に合わせてヴィジュアルは洗練されてきているのですが、原作のストーリーにはどうしても古さを感じてしまいます。

人類誕生以前の太古の昔、地球を支配していたのは宇宙から飛来した者達(クトゥルフ神話では旧支配者と呼ぶ)でした。ようするに宇宙人なわけですが、肉体があったりなかったりで人類が分類するところの生物の枠には収まらない存在です。

人類のなかに旧支配者を神として崇拝する集団がいて、彼らを復活させようと画策することにより巻き込まれた人が酷い目に遭って終わる、というのがおおまかなストーリーです。

日本人の私には怖さが伝わりにくいのですが、西洋人の価値観の中心にあるのはキリスト教ですから、神による天地創造を否定するような話は「冒涜的」であり、恐るべきものなのです。

聖書に神は「自分に似せて人間を作った」と書かれているのでクトゥルフたち邪神はタコだったり「名状しがたい」姿だったりします。

問題は、その旧支配者を崇拝しているのが白人以外の人種ばかりだといことです。白人以外は頭のおかしい野蛮人というストレートすぎる差別表現はさすがに古い。

もともとパルプ・マガジン(安い通俗雑誌)に掲載されていた作品であり、原作者のラブクラフトは生前、ほぼほぼ評価されていなかった作家なのでしょうがないといえばしょうがないんですが。

現代だと銃を乱射する代わりにクトゥルフを復活させようとするとか、階級の壁を壊すためにクトゥルフが担ぎ出されるとかのほうが説得力あるような気がします。

クトゥルフ神話自体、ラブクラフトの世界観をベースに複数の作家の創作によって全体像が作られていった作品なので、原作者に縛られることなく多種多様な展開を考えられるのが面白いところでもあります。

 

 

いままでの話に全く関係ないんですけど、ラブクラフトと運転免許返納で炎上中のYouTuber・スーツ君がなんとなく似てる。

アメリカ人にしたらこんな顔なのかもしれない。

 

ほんとは怖い?蛭子能収『地獄に堕ちた教師ども』【サイコパス】【クズ】

 

 

はてなダイアリーで「蛭子さんはなぜ漫画家になれたのか」という投稿を見つけました。


絵が下手なのになぜ漫画家になれたのか。蛭子が漫画家になれるなら誰でもなれるんじゃないか。わたしも子どもの頃、同じことを思っていました。


じつは下手な絵も含めて個性。

 

既存の漫画表現にはない前衛的な作風で漫画界の発展に貢献しました。

 

蛭子能収がいなければ後続の山田花子や山野一も存在しなかったかもしれないし、ねこぢるがちいかわになっていたかもしれない。一見素人の落書きのようだが映画界でいうところのゴダールみたいな存在です。

 

説明が難しい漫画なので蛭子がデビューしたガロという雑誌からお話しようと思います。

 

ガロは商業誌の枠に収まらない個性的な漫画家を多く輩出しました。

 

代表的な漫画家がつげ義春。

 

蛭子さんもつげ義春に影響を受けて漫画家を志します。

 

つげ義春について語っているインタビューをまとめると「こんな漫画があるのかと衝撃を受けた。ストーリーはよくわからないけど芸術作品だと思った」というようなことを言っています。

 

ガロの功績は普段漫画を読まない層を取り込んだことでした。

 

音楽、文学など他ジャンルのアーティストに影響を与え、新しい感性の漫画家を誕生させたのでした。商売っ気がないため常に廃刊の危機と隣合わせでしたが文化的価値が高い雑誌です。


漫画史において少年ジャンプ等をを筆頭とするメジャーな川の横に、細々ともう一つの川が流れているとでも思ってもらえばいいでしょうか。


「そういえば漫画家だった」と言われる蛭子能収

 

35年ぶりに復刊された『地獄に堕ちた教師ども』は漫画家・蛭子能収の初の単行本です。

 

表紙を見てすぐわかるのが横尾忠則と映画の影響です。構図と色使いは横尾忠則、タイトルはルキノ・ヴィスコンティの『地獄に堕ちた勇者ども』のパロディであることは明白。


蛭子さんは映画好きで芸術映画もたくさん見ているそうですが、見た直後から内容は忘れてしまうらしく、漫画の内容も映画とはまったく関係ありません。


何の画材を使っているのかわからないが塗りムラがすごい。元祖ヘタウマ(ヘタが味になっている)と言われるだけあって、真似しようにも真似しきれていないような……。

そこからオリジナリティが生まれているのでもうオリジナルでいいんじゃないか。そう思いました。


以前、青木雄二の絵柄が蛭子能収に似ていると書きましたが蛭子さんのほうがややヘタな気が……。背景物と人物の大きさが合っていないし、背景も実景じゃなくてなんか意味不明にUFOが飛んでいたりします。

 

もともと漫画は好きだったそうですが、蛭子さんが最初に目指した職業は漫画家ではなくグラフィックデザイナーでした。

 

絵がヘタなことに注目しているとなかなか気が付かないのですが、コマをじっくり見るとデザイン性に優れていて、一枚の絵として完成されています。


ストーリーはオチがあったりなかったりでよくわからない。

 

つげ義春から叙情性を引っこ抜いてサイコパスを足したような殺伐とした展開で、とにかく登場人物が冷血かつ暴力的。


『地獄のサラリーマン』は、敷かれたレールに乗ってきたはずのサラリーマンが脱線に次ぐ脱線で最後には地獄に連れて行かれる、という現代社会への皮肉めいたものを感じましたが、蛭子さん的には通勤電車の過酷さを伝えたかったらしく、虫を細かく描くことを頑張ったそうです。

 

表題作『地獄に堕ちた教師ども』の背景に書かれている怪しげな標語も「当時流行ってた糸井重里を意識したかもしれない」とのことで、とくに意味はないらしいです。


なにかの思想がありそうに見えるので、蛭子さんのキャラが知られる前はどこぞのインテリが書いているんじゃないかと噂されたとかされないとか。

 

実際は「漫画やグラフィックアートが好き」「ギャンブルが好き」「日頃のストレスを漫画で発散」という3つがいい具合に掛け合わさったキメラ的作品のように思います。


蛭子漫画を象徴する大量の汗。尋常じゃない汗をかいているのは追い詰められた人、余裕のない人ばかり出てくるせいだと思っていたのですが、「説明が少ない蛭子漫画のセリフや状況を補足するもの」という意見を見て、汗も演出上重要な役割をしていることがわかりました。

 

計算ではないのかもしれませんが、絵がヘタなことにより残酷な場面もギャグに見える効果(これは『ナニワ金融道』にも感じた)と、本物っぽさが加わります。

 

本物っぽさとはあっち側の人なのかこっち側の人なのかということです。

 

分裂病的と言われる支離滅裂な展開はあっち側の人っぽい。しかし超ハイセンスな人がわざとこういう作風にしているのではないか、と思わせる余地もあります。どっちなのかわからない不安な気持ちで読みすすめるのがいいでしょう。


蛭子漫画は「不条理ギャグ」「シュール」とカテゴライズされていますが、アウトサイダーアートという人もいればダダイスムだという人も、パンクだという人もいます。


免疫のない人が蛭子さんの漫画を読むと衝撃を受けるようです。

 

蛭子能収デビュー以前の漫画界を知っていればどれだけ斬新だったかわかるのでしょうが、私は後続の丸尾末広からガロ系を知ったので、衝撃を受けるよりご先祖様に会ったような懐かしさを覚えました。


蛭子能収のパーソナリティ

 

蛭子さんを語る上でタレント・変人という部分についても触れておきたいと思います。

 

それぞれが重なり合って蛭子さんの魅力を構成しているため、別な角度から見ていくことも必要だと思っています。


漫画家としては特殊な立ち位置のため、タレントとして蛭子さんを知った人がほとんどでしょう。

 

かつては優しげな雰囲気から「理想の父親」に選ばれるほど好感度が高かったのですが、「人の葬式で笑ってしまう」「嫌いな相手を漫画で血祭りに上げる」などの暗黒面が知られるようになり、「サイコパス」「クズ」と評価が一変します。

 

変人であることは間違いないのですが、蛭子さん本人の思いとは違ったニュアンスに伝わっているようです。


もともと緊張を強いられる場面が苦手なうえに、たいして悲しくもないのに悲しんでいるフリしなければいけない状況がおかしくて笑ってしまうようです(ようするに茶番だと言いたい)。それでも最初の奥さんが亡くなった時はものすごく悲しくて泣いたそうですから、人の心はあるみたいです。


漫画でジェノサイドするのも、いじめられっ子だった蛭子さんが学校の不満を漫画にぶつけていたことから始まっています。嫌いな人の名前を書くデスノートみたいなもので「現実世界で人を傷つけたくない」という平和の精神がそこにあります。


蓋を開ければ誰の心にもある黒い部分だったりするのですが、問題は蛭子さんがそれを堂々と言ってしまうことにあります。


そう、蛭子さんはバカがつくほど正直なのです。


「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」でもギャンブルがしたいという理由で人里離れた旅館よりもビジネスホテルに泊まりたがる蛭子さん。

 

賭け麻雀で捕まった時の「二度としません。賭けてもいいです」は歴史に残したい名言です。


芸能界一忖度しないタレントであることは間違いないでしょう。


嘘まみれの芸能界でよくこんな人が生き残れたと思うほど。それも文化人としてチョロっとテレビに出てくる程度ではなく、芸人に混じって熱湯風呂に入ります。


漫画界でそれなりの地位を築いても、ギャラがよければパンツ一丁で熱湯に入る潔さ。他人の評価など気にしない徹底した合理主義。

 

間違いなく成功者ですが「成功する人の特徴◯選」とかに絶対当てはまらない唯一無二のキャラクターです。

 

有名になったプレッシャーで病んでしまったりすることもなく、基本的に来た仕事は断らない。「ぼっち」に属する内向的な性格なのにここまで図太い人もなかなかいません。

 

人々が蛭子さんに吸い寄せられるのもわかります。観察対象としてめっちゃ面白いもん。

 

いまでは「蛭子さんのようなマイペースな蛭子の生き方こそ人間のあるべき姿なのかもしれない」と言われることもあります。

 

全人類が蛭子能収になったらそれはそれで世界の終わりですが(本人もそう言ってる)、心のなかに小さい蛭子さんを住まわせたら生きやすくなりそうです。


いくら稼いでも蛭子さんにとってタレント活動はバイト。本業は漫画家だという思いがあります。


認知症になって大好きなギャンブルをやめても漫画は書き続けているそうです。


バス旅で蛭子さんをどやしていた太川陽介がいつか粛清されるんじゃないかと思っていましたが、「俺は太川さんに優しくなかった。それは間違ってたと思う」と言っていたのでその心配はなさそうです。嘘がつけない蛭子さんが言うとなんだか感動的。

 

【計算不要・簡単】かぎ針編みの円の編み方【増し目/減らし目】

 

かぎ針編みをはじめた頃、最初につまづいたのが円の編み方でした。

 

初心者本にも編み図と編み方しか載っていなくて、どうやって大きくしたり小さくしたりするのか謎でした。

 

その時は動画を見ながらなんとか仕上げたのですが、モコタロウさんの編み方がもっと簡単だったので現在はその方法にしています。

 

いちいち計算する必要がないし、慣れると編み図を確認したりする手間も省けます。

 

法則がわからなくても10段目の編み方くらいまでならネットで見つかりますが、それ以上になると詰むので覚えてしまったほうが楽です。

 

最初に円のはじまりを何目にするか決めておくとより簡単です。特別な指定がない限り毎回同じ目数ではじめると迷いがありません。

 

円を増し目で大きくする方法


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増し目なしで1目ずつ編み入れる部分は長編みなどで編むこともありますが、今回は基本の細編みで統一します。


糸端を輪にする時、指にかける糸は2回巻くのが基本ですが、私はモコタロウさん方式で1回にしています。

 

こうすることで糸を引っ張っても切れる心配がありません。細い糸を使って小さいサイズの円を編む時もやりやすくなります。


基本の6目はじまりで説明します。


6目ではじめた場合、1段増えるごとに目数は6増えます。

 

1段目は6、2段目は12、3段目は18。九九で対応できるので計算は不要です。


1段目は増し目なし、2段目はすべて増し目。

 

3段目から奇数段は増し目ではじまり、偶数段は細編みではじまる増し目と増し目の間の細編みは1段増えるごとに1目ずつ増えます。


偶数段の最初の細編みも1目ずつ増える偶数段の引き抜きの目を挟んで最初と最後の目に細編みを2等分します。

 

たとえば5段目は増し目→細編み3→増し目なので最後(引き抜き編みの手前)は細編み3になります。


6段目は細編み2→増し目→細編み4→増し目と続き、最後は細編み2。


5段目は増し目と増し目の間の細編みが3目でした。

 

次の6段目は4目に増えます。

 

その4目を最初と最後で2目ずつにわけます。ちょっとややこしいですが、なるべく角のないきれいな円にするため、増し目の位置をずらす必要があります。


増し目・減らし目・増し目なし。それぞれの編み方で円を編むと……

  • 増し目→円が大きくなる
  • 減らし目→円が小さくなる
  • 増し目なし→側面ができる

という具合に円の大きさを調整したり、立体的に編むことができます。


たとえばバッグを編む時は増し目をして底をちょうどいい大きさまで編み、増し目なしで側面を編んでいきます。


球体を編む時も増し目をして円を大きくしていき、増し目なしで何段か編んで側面を作ります。次は最初とは逆に減らし目をして最後の段は引き絞ります。


減らし目をする時も基本的に6目ずつ減らしていきます。

 

増やし目をした時と逆に2目一度。減らし目をする時も、減らし目ではじまる段と細編みではじまる段を交互に編みます。 

図も書いてみました