「一富士、二鷹、三茄子」は、初夢に見ると縁起が良いものを順番に並べた句。
由来には諸説ありますが、一に富士山、二に愛鷹 《あしたか》山(足高山)、三に初茄子の値段と、駿河の名物をランキング化したという説が有力です。
ではウンチクはこの辺にして、江戸時代の国語辞書にも載っている有名な初夢を夢占いから見ていきましょう。
富士山の夢:人生のゴール(目的地)
「一富士、二鷹、三茄子」の筆頭に挙げられる富士山は大吉夢です。富士山に限らず、美しい山は人生のゴールや、最終目標を意味します。
天高く聳える山は、神々が宿る場所として古くから信仰の対象でした。人々が山を見上げることから、理想をあらわす場合もあります。
山の高さが目標の高さに比例するので、日本一高い山の富士山を見たということは、かなり意識が高いのかも。
ただし、実際に登ると相当きつい山であることは間違いありません。この夢は遠くから眺めているほうが良い暗示なんです(登ったほうがご利益ありそうなのにね。)
◆富士山がはっきり見える
- 将来の見通しが明るい
- 正解のルートを進んでいる
鷹の夢:開運と飛躍
精悍な猛禽類は、おもに「権力者」「支配者」を暗示しますが、初夢に現れる鷹は幸運のシンボル。
鷹の目は、遠く離れた場所にいる獲物を捉え、鋭い爪は掴んだ獲物を離しません。転じて「幸運を掴んで離さない」という意味になります。
幸運のシンボルとなる鷹は、強く逞しいことが条件。弱々しい鷹や、飛べない鷹の夢は、挫折を意味する凶夢なので注意してください。
◆鷹が空高く飛んでいる
- 地位の向上
- 開運の兆し
- 恋人や配偶者を得る
- 洞察力が冴える
◆鷹を捕まえる
- 財産を得る
- 幸せを掴む
茄子の夢:子宝を授かる
茄子の夢は、幸せと子宝を運んでくる吉夢です。なぜ子宝なのかは、茄子の形状からお察しください……。
※フロイト先生の夢診断がだいたいシモに結びつけていたように、夢占いで凸状のものは男性、凹状のものは女性のシンボルです。
生命を生み出す器官に似ている茄子にも、同じように創造のパワーが秘められていると考えられたのでしょうね。
◆茄子を見る
- 嬉しい出来事がある
- 出世する
- 利益を得る
- 子どもができる
素早く行動することを心がけましょう。タイミングを逃すと幸運を掴み損ねます。
◆茄子を食べる
- 結婚の予兆
- 子どもができる
◆茄子を人にあげる
- 貧しくなる
初夢「一富士、二鷹、三茄子」のおさらい
- 富士山の夢⇒前途有望
- 鷹の夢⇒立身出世
- 茄子の夢⇒子孫繁栄
初夢の内容からその年の運勢を占う風習があります。
現代では、1月1日(元旦)から2日の夜にかけて見る夢、または2日から3日の夜にかけて見る夢が初夢とされています。
この期間に「一富士、二鷹、三茄子」の夢を見たらラッキーなことがありそう。
ただし、良い夢を見ようと意識して見た夢は願望にすぎず、実現が難しくなります。お正月の夜はリラックスした状態で眠りについてください。