京の都では、貴族による集団暴行や弱い者いじめが日常的に行なわれていました。
王朝貴族は暴力に親しんでいた――と主張するのが本書『殴り合う貴族』です。
のっけから「雲の上の人」とされる殿上人たちが、老人をよってたかって足蹴にしていたというショッキングなエピソードが紹介されています。
やんごとない貴公子たちは、蹴鞠ではなく蹴老人に興じていたのでした。
暴力事件が記されているのは小野宮右大臣・藤原実資の日記『小右記』です。
同じ時代を生きた藤原道長ファミリーの悪行もつまびらかにしています。
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