ひきこもりクエスト

ひきこもりが何と戦ってるかって?自分の中にいる怪物だよ

ひきこもりが「アットホームな職場」で働いてみました

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働いたら負け

毎日暑いですね。みんな生きてる?

しばらくブログを更新する元気がありませんでした……。いきなり外で働かなければいけない状況になって、いまは週4日アルバイトをしています。

検証もかねて地雷求人といわれる「アットホームな職場」に応募してみたのですが、1日5~6時間働く予定が、実際はほぼ休憩なしで8時間労働。噂通りのブラックでした。ラブホの情報といい、ネットの書き込みも嘘ばかりではないようです。

ほんとにアットホームだった、いろんな意味で

 

私が苦手とする体育会系の暑苦しい職場ではないのですが、お友達感覚というか距離が近い感じはします。でも嫌な感じはありません。

厳しそうに見える方でも話してみると優しいし、嫌な顔をせず仕事を教えてくれます。私が緊張して事務所に入れないでいると、先輩が「暗いところにいないでこっちにどうぞ」と中に入れてくれました。ラブホの閉鎖的な雰囲気とは大違いです。

その代わりシフト管理はけっこう適当。休みを間違えて出勤しちゃった人をその場でシフトに入れていました。他の人にも「明日休みになってるけど、明日も来る?」と声をかけてたので、シフト表はあってもなくてもいいみたいです。

もっと大雑把なのは労働時間。朝は始業の30分以上前から準備をして、帰りも片づけで2,3時間の残業は当たり前。

残業代が出るのか聞いても曖昧な答えしか返ってきません。「みんな仲良しなんだから細かいことはいいじゃない」という圧力、これが「アットホームな職場」の本当の意味のようです。

8時間働いた日は帰りに麺つゆをくれました。ありがたいですが、私の3時間の価値が麺つゆ1本と同じだと思ったら切なくなりました。地味に重いし。

従業員の半数以上が50歳超え

この職場に来てから「若い子」と言われることが増えました。50歳以上の従業員が半数以上、最年長は70代なので、ネットでBBAといわれる年でも若者扱いしてもらえます。笑点の春風亭昇太みたいなものです。

同期の新人も私の親世代。アンチエイジングなんてしなくても若返った気分になれます。

低賃金・重労働・長時間労働のフルコース

従業員は高齢なのに、仕事はものすごくハードです。

はじめの3日くらいは家に帰るとベッドに倒れたまま動けませんでした。ストレスで持病の発作も出てボロボロ。職場で発作が出ないように堪えることで精一杯です。

アラ還の同期は「いろいろ肉体労働もしてきたけど、いままで経験した仕事のなかで一番きつい」と言っていました。私たちの前に来た若い男性は1日で辞めてしまったそうです。自分はひきこもりだから根性がないんだと思っていましたが、元気な若者でもつらい仕事のようです。

それでも新人に任される仕事量はまだ半分。リーダーは「慣れだよ。みんなできるようになるよ」と前向きなことを言うのですが、若手は「辞めたい」「時給が安すぎる」「ヘルニアになって辞めた人もいる」と生々しい話を聞かせてくれました。

ベテランにとってはもはや仕事が趣味、職場が家みたいなものなのかもしれません。いくら働いても金銭的に報われないので、仕事というよりボランティアやサークルといったほうがしっくりきます。

仕事をはじめたばかりの頃は、先輩と組んで簡単な作業をしていたのですが、先日、ついに一番の大仕事を教わりました。

リーダーから「初めてにしてはそんなに悪くない」と言ってもらえたので、この仕事のなかでは自分に向いている作業なのかもしれないです。でも全体重をかけて引っ張らないと動かないくらい重かった。死にそう。

最初に手本を見せてもらいましたが、「数をこなしてコツをつかむしかないよ。従業員の数だけやり方があって、一人として同じことをしている人はいない。あなたも自分のやり方を見つけて」と言っていました。

リーダーは15年この仕事を続けてオリジナルのやり方を完成させたそうです。なんだか職人の世界みたいです。

ひきこもりに仲間意識が芽生える

同期といっても母親くらいの年齢だし、ずっと働いてきた人なので、私みたいなコミュ障のひきこもりが仲良くなれるなんて思っていなかったのですが、仲間として認めてくれているようです。

生きてきた人生は違っても、同じ新人だから不安な気持ちは一緒。悩みを共有できる唯一の相手です。教わったことを確認し合ったり励まし合ったりしてなんとかやっています。

私は人に心を開くのが苦手なのですが、彼女には最初から素直に話せました。一人だったらとっくに心が折れていたと思います。自分にそういう仲間意識が芽生えるなんて予想もしませんでした。

他の従業員も方も気さくに話しかけてくれるのですが、仕事の話をするだけで手一杯で受け答えがぎこちないです。

同期の彼女は私と違って周りとうまくやっているように見えるけれど「仕事を選べる年じゃないけど選ばせてもらうわ」と、雇われることにはシビア。ブラック企業でボランティア活動するわけにもいかないから、もう少し条件の良いところを探そすつもりみたいです。

低賃金で重労働なうえにノルマまであるので私も長く続けられる気がしないのですが、ブロガー的には美味しいネタでした。